近況雑談の過去ログ32(2002年2月)


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02-27 『読者は踊る』
02-24 「ギャラクシー・クエスト」上映 /元ちとせ
02-22 九蓮宝燈
02-19 バトル&トラブル(佐藤亜紀、田口ランディ)
02-18 アフガン空爆の犠牲者
02-13 川口外相 2(訓示)
02-12 川口外相(上納問題)
02-11 あれは「計算」なのか?
02-08 「世の人忘るな」(賛美歌)
02-06 ネバギブアプ
02-04 メモ(支持率急落)

 2002-02-27  『読者は踊る』

 取引先からの帰路、本屋に寄る。店舗は広いがビジネス書の占有率が高く、目当ての本は1冊も置いてない。店内を1時間ほど遊泳。文春文庫で復活した佐藤亜紀の『バルタザールの遍歴』の奥付を見るとまだ初版(第1刷)。ちょっと悲しい。通路に面した台に田口ランディの『コンセント』(幻冬舎文庫)が平積みになっているのを見て斎藤美奈子のことを思い出し、『読者は踊る』(文春文庫)を買う。

 以前、田口ランディはWEB日記(筑摩書房のサイト)で「斎藤美奈子さん/あんたは私の本を/読まんでいい」と宣言している(一昨年12月16日の日記のタイトル)。よほど斎藤氏の(『アンテナ』に対する)書評が気に入らなかったらしいが、日記には「この人の書評を読むと私は具合が悪くなってしまう」とか「不快で茫然」「あまり気分が落ち込むので、風呂に入った」「批評家の愚痴など、気にするだけ無駄」等々、情緒的な言葉が連ねてあるだけ。書評でどんな論評がなされ、それが作家にとってどう不満なのか、具体的なことは何もわからない。件の書評を読んでみたいが、残念ながら『読者は踊る』は98年10月に刊行されたもので田口ランディを取り上げたコラムは収録されていない。

 『読者は踊る』を買ったのは、最近友人がWEB日記で誉めていたからでもある。確かに面白いわ、これ。くだけた文体で辛口コラムを書く人という予備知識はあったので、漠然と“書評界のナンシー関”って感じか? と思っていたのだが、当たらずといえども遠からず。文章は柔らかいが中身は硬派。辻仁成や竹内久美子がバッサリやられている。まあこの二人を高く評価するような批評家ならハナから信用できないが。ナンシー関との際立った違いは守備範囲の広さで、文芸作品、理系の啓蒙書、時事ネタがらみの企画本から聖書まで(!)幅広く俎上に載せられている。

 あとがきで「巻頭で述べた『踊る読者』とは、あなたや私のような小市民的読者のこと」と謙遜しているがこれはダウトだな。斎藤氏がブームで踊らされている読者とは思えない。というか、巻頭の設問自体が客寄せのジョークである。20の設問に正直に答えて「踊る読者」候補生とも判定されないような人は、そもそも本屋にも図書館にも寄りつかず、読書とは無縁の人生を過ごしているに違いない(笑)。


 余談。田口ランディの日記には「斎藤美奈子さんの悪評のこともどうでもよくなってきた」なる一節がある。悪評って何? まあたぶん「酷評」の誤記なんだろう。

 ・ 田口ランディの日記筑摩書房) > 00年12月16日の日記
 (この日記はボイジャー社のプラグインをインストールしないと読めない。)

 (この項、28日アップロード、同日リライト)



 2002-02-24  「ギャラクシー・クエスト」上映 /元ちとせ

 下高井戸シネマのレイトショー(午後9時)で「ギャラクシー・クエスト」が上映される。期間は2月25日〜3月9日(3月3日除く)。傑作だからなあ、ファンの要望に応えてあちこちで上映されているのだろうね。


 昨日、CX「ミュージックフェア21」で元ちとせという新人歌手(?)の歌「ワダツミの木」を聴いた。驚愕の歌唱力。私的には鬼束ちひろの「月光」以来のヒットであります。

 ・ 元ちとせ(公式ホームページ)



 2002-02-22  九蓮宝燈

 さて、頃は良し。10日ほど前の「ネットでの初体験」について書く。
 東風荘で役満を和了した。並みの役満なら東風荘はもちろんオフラインでも何度もあがっている。雀歴長いから十三不塔も経験済み。しかし今回のは、ふっふっふ、聞いて驚け、九蓮宝燈! 別名天衣無縫。俗に「あがると死ぬ」とまで言われているヤツである。喜びのあまり速攻で雑談に書いて、直後に頓死したりすると“伝説”になりかねないんで自粛していたわけ。10日も無事なんだからもう大丈夫であろー。

 頓死云々はもちろん冗談だけどね。ちなみに東風荘の役満和了記録を見ると1日に1〜4人ぐらい九蓮宝燈をあがっている。実はすぐ書かなかったのは、この「役満和了記録」が更新されて私の記録が消えるのを待っていたんである。オンラインゲームでの別ハンドルがバレると恥ずかしいので(笑)。記念&証拠物件→ 和了画面

 蛇足だが「あがると死ぬ」の元ネタは阿佐田哲也の『麻雀放浪記』。麻雀関係の本を読む人には常識だろうけど。



 2002-02-19  バトル&トラブル(佐藤亜紀、田口ランディ) (03-07-25追記)

 佐藤亜紀のサイトに約半年ぶりにコラムが追加された(大蟻食の生活と意見 No.23)。あいかわらず巧い。「自称『哲学の巫女』池田晶子氏」と揉めているらしいのだが、文才に丸め込まれて、ついこの一文だけで「池田晶子ってとんでもないヒトなんだな」と納得しそうになってしまう(笑)。

 一方の言い分だけで判断するわけにはいかんのでWEB検索してみた。騒動に言及する文には行き当たらなかったが、池田晶子のWEB掲載コラムをとりあえず2本読んでみて(「わが闘争」の第2回と第14回)、探索打ち切り。だめだこりゃ。文章は戦闘的で高慢だが中身が薄い。諍いの背景も含めた事実関係は佐藤亜紀のコラムだけでは判断できないが、少なくとも理論やポリシーを中心に据えた“言論の戦い”では、この池田氏、佐藤亜紀と互角にやりあえる器とは思えない。ま、強い者、才能のある者が勝者になるとは限らないけど。

 ・ 新大蟻食の生活と意見 (佐藤亜紀ホームページ)
 ・ 角川ワンテーマ > わが闘争 池田晶子


追記 (03-07-25)
 03年7月4日、池田晶子氏がニュースステーションに生出演した。発言記録はNステ語録(03.7/4)、久米宏らとの会話を聞いての感想は03年7月の雑談に記した。


*  *  *

 長らく燻っていた田口ランディの盗作疑惑、火事になるとすれば岡崎京子がらみと見ていたのだが意外なところから動き始めた。16日、小説「モザイク」に解説本の記述を無断使用した部分があることを認め、謝罪し、絶版&書き直しをすることになったと朝日新聞やNHKが報道。連鎖反応的に、沈黙を守っていた藤森直子も自身のサイトに「(田口ランディとの)著作権トラブルについては、現在、話し合いの最中です」との告知文を掲載。「話し合い」の着地点がどこになるにせよ、才能に恵まれている人がより多く光を当てられる成り行きとなればいいのだが。 (参照→ 01年5月28日の雑談

 ・ 田口ランディさん、解説本から無断使用 謝罪し書き直し (2/16、朝日新聞)
 ・ 産廃物&盗作屋 田口ランディについて (疑惑検証資料&関連リンク)
 ・ NAO's Blue Film → http://member.nifty.ne.jp/kannoudog/ (藤森直子のサイト)

 藤森直子のサイト「NAO's Blue Film」は一部アダルトなコンテンツを含むのでリンクは省略(ジオシティーズの規約に抵触するため)。

 (この項、20日アップロード)


追記(2002-04-02)
 4月1日、田口ランディが他人の著作物の無断使用を認め、報告文を版元(幻冬舎)のホームページに掲載して謝罪、幻冬舎は問題の単行本2冊を絶版とし改訂して文庫化するとの報道あり。 被害者である藤森直子の名は報じられていない。(参照→ 02年4月2日の雑談

盗作問題については田口ランディ盗作疑惑を参照されたい。



 2002-02-18  アフガン空爆の犠牲者

 10日の日曜洋画劇場で「プライベート・ライアン」を見た。冒頭30分ほど続く敵前上陸場面の残酷描写がよく話題になっていたが、なるほど凄い。感受性の鈍くなったオジサンが自宅で小さなTV画面で見てもかなり怖かったから、これを劇場の大スクリーンで見た若い人は大変だったろうなあ。ただ、怖いということでいうなら前半の大殺戮より後半の橋を巡る数十人規模の攻防戦のほうがはるかに怖い。身体が千切れ文字どおり血の雨が降るとはいえ、敵前上陸で死んでいくのはどこの誰とも知れぬ“大勢の兵士”でしかない。話が進むにつれ名前と顔を覚え人柄もある程度把握した分隊の兵士たちが直面する死闘のほうが、怖くて切ない。後半はフィクション色が濃厚なのに。感情移入のメカニズムの不思議。

 同時多発テロの犠牲者を悼む催しの様子が昨年はよくTVで流れた。職場や慰霊式典の会場に大きく引き伸ばされた犠牲者の写真が掲示されていた。当局が発表する「死者・行方不明者○千人」という数字は数でしかないが、ペンシルベニアの墜落現場にたてられた数十人の名前の刻まれた慰霊碑の映像は悲劇を実感させる。そして、ほんの数人しか映らなくとも生前の写真はさらに強く見るものの心に訴えかけてくる。

 昨年暮れ、「研究者の調査によるとアメリカのアフガン空爆による民間人の犠牲者数が同時多発テロの犠牲者数を上回った」との報道が流れた。空爆報道では“誤爆”という欺瞞表現が常用されていたが、“誤爆”であれ狙いどおりの爆撃であれ、アメリカは2カ月で約3600人もの民間人を殺したわけだ(今年1月上旬には犠牲者数は4000人前後に達したとの報告あり)。

 「犠牲者数が上回った」といってもしょせん数字でしかない。“誤爆”で殺されたアフガン人の名前はほとんど報道されず顔はまったく見えない。親族や地域の人々によって語り継がれていくにせよ、アフガンが国力を回復してアフガン戦争や内戦、そしてアメリカの空爆をくぐった自国の歴史を自国民の目で検証できる日がくるまで、名前も顔もない空爆の犠牲者の命は統計上の数でしかない。

 ・ アフガン空爆で3767人の民間人が死亡 「同時多発テロの死者数上回る」 英紙 (01年 12/20、毎日)
 ・ 生命学ホームページ > 対米テロ > 臆病者の戦争における無実の死者たち (毎日の記事のネタ元である英「ガーディアン」紙記事の翻訳)
 ・ 米国で報道されないアフガニスタン民間人犠牲者 (1/4、Wired News



 2002-02-13  川口外相 2(訓示の報道)

 昨日の項、川口大臣の答弁を正確な引用に修正した。

 川口大臣といえば先週5日に外務省職員に訓示をしたが、CXとテレ朝は扱い方が対照的であった(夕方のニュース)。テレ朝Jチャンネルが詳細に訓示の内容を報道したのに対し、CXスーパーニュースは大臣と職員の立ち位置が大きく開いていることをネタに副大臣が冗談を飛ばしたとか、田中前大臣の時は一度も出席しなかった野上次官が出席したとかの“余談”に時間を割き、訓示の内容紹介はごくわずか。まあ、大臣の訓示なんて詳しく報道されても面白いものではないが。

 Jチャンネルの伝え方には一部おかしな部分があった。川口大臣の訓示のVに見出しテロップを入れていて、途中「機密費問題」というテロップが出たのだが、「お金についての問題がある」という川口大臣の婉曲な指摘はこの後に続く言葉をみるかぎり明らかに裏金(プール金)や公金の私的流用を指すものである。放送では流れなかったがこれはVの編集ミスで、訓示には機密費に言及した部分があるのか? と不審に思ったのだが、訓示の全文を見ても機密費にふれる部分はまったく無い。単純なテロップ作成ミスだったようで。

 この誤テロップ、夜のNステで再登場するかもとヒネた期待をして視聴したのだが、訓示の内容紹介はCXスーパーニュースよりも簡略でテロップの出番なし(笑)。この日は上山アナによる川口大臣インタビューがあったのでバランスをとって扱いを軽くしたのかも。インタビューはごく短時間で内容も薄かった。ま、今は就任直後の“ご祝儀”期間。甘口なのも仕方なし。

 ・参照:→ 外務省 > 川口外務大臣より外務省職員への訓示 (2/5)



 2002-02-12  川口外相(上納問題)

 ↑雑談欄の上の「渡辺真理の200字」リニューアル告知は1週間ほどで消すつもりだったのだが、ころっと忘れていた。今回は早めの更新で#35(2/12)が掲載されている。


 仕事の連絡待ちで中途半端にヒマ。ヒマなのにジリジリと気が急くような妙な精神状態になっている。精神安定剤としてHSPをさわってみる。 1年ほどブランクがあるが基本は覚えていた。が、オブジェクトのIDの管理方法がよくわからない。試行錯誤していると焦燥感がさらに高まる。イマ ヤルベキコトハ コレカ?

 本日国会で機密費の上納問題を問われて川口新外相は「いわゆる上納問題につきましてはあらためて調査をする必要はないと(考えている)」と答弁。
 外務省&官邸は“いい大臣”を得たな。質問に立った民主党議員の名前はメモし損なった。民主党の公式サイトで確認できるかと思ったが、ダメ。ニュースの最新日付が8日でやんの。


追記 録画を見直して確認。岡田克也議員であった。ついでに川口外相の答弁を正確な引用に修正しておく。(02-13)


 2002-02-11  あれは「計算」なのか?

 今朝、ネットである初体験をした。(←自分用の備忘メモ)


 多くの人が一斉にTVに向かって突っ込んだと思うが、これも備忘を兼ねてメモしておく。今夜のNステのDNA特集の前フリで久米宏が「コンピュータのCPU、えー、セントラル・プロセッシング・ユニット」と原稿を読み上げた後、渡辺真理嬢の「ん?」のリアクションを受けて「集積回路のことです」と説明していたが、正しくは(直訳だが)中央処理装置。「集積回路」はIC(Integrated Circuit)である。特集V明けにも同じ(不正確な)説明(言い換え)をしていた。まあCPUもICの一種ではあるが、用語説明としては落第。

 (見出しは、特集で紹介していたDNAコンピュータのこと。疑問を感じたものの調べるのは面倒なので放置。)



 2002-02-08  「世の人忘るな」(賛美歌)

 ある掲示板に音楽ネタの書き込みをした後、思い立って楽曲の検索をしてみた。……発見!

 長年探していたクリスマスソングの曲名が「間奏曲をはさんだ二つのイギリスのキャロル」だとわかった、これは名曲だと思うが、なぜか関連サイトを巡ってもどこも扱っていない……云々と00年6月30日の雑談で書いたが、「どこも扱っていない」というのは私の探し方が悪かったための誤解、早とちり。栗コーダーカルテットのCDに収録されていることを知って、嬉しくて、栗コーダーのCDの曲名表記にとらわれすぎていた。

 今回の検索でこの曲の一般的な名称が「世の人忘るな God Rest Ye Merry Gentleman」であることがわかった。以前の雑談でリンクを張ったサイト「クリスマスキャロル」にも解説&MIDIファイルが掲載されていることに、1年半も経った今頃になって気づくことになった。例によって“間の抜けた発見”だが、やっぱり嬉しいので再度リンクを張っておく。(MIDIは6曲掲載されているが「godresty.mid」が素直な編曲でお勧め)

 ・ クリスマスキャロル > 世の人忘るな : God Rest Ye Merry Gentlemen (原・訳詞&解説)
 ・ MIDI Files of Christmas Carols > 賛美歌第二編128番「世の人忘るな」 (訳詞、MIDI)



 2002-02-06  ネバギブアプ

 夕方のTVニュースで、山崎拓が小泉総理に「ネバーギブアップ」とエールをおくるシーンが流れた。国会で自民党幹事長が拝借するほどに星野タイガースの標語は世間でウケてるのか? と不思議だったのだが、Nステの報道によるとこれはチャーチルの言葉の引用なんだそうで(山崎氏自身が故事を語って引用)。

 そっか。ってことは標語の元ネタもチャーチルなんだな、たぶん。ちょっとがっかり。元ネタはもしかしたら「ギャラクシー・クエスト」の「ネバギブアプ、ネバサレンダ!」かもと思ってたもんだから。

 ↓「ギャラクエ」の名セリフの音声ファイル(WAV)を掲載しているページ。

 ・ Galaxy Quest WAV Page



 2002-02-04  メモ(支持率急落)

 1日(金)のCXスーパーニュースのトップは「緊急電話アンケートによると小泉内閣の支持率が急落、支持と不支持が逆転!」云々。支持率40%。下がるとは思っていたが、これは下がるというより「落ちる」だな。が、このアンケート、調査対象がわずか150人。まともな調査でどんな数字が出るか注目していたのだが、おおむね50%前後におさまったようで。

 1日から3日にかけてCXのニュース番組は私の見た範囲で3種類の数字を伝えていた。これについて感想を書きかけたのだが、つまんないのでボツ。数字のみメモしておく(テレ朝サンプロはセットに書かれていた数字のメモ、スクープ21は途中から視聴)
 ZAKZAKが新聞各社の調査結果一覧を載せているので下にリンクしておく。

 調査支持不支持出典(備考)
2/1(金)CXスーパーニュース40.758.7(調査対象150人)
2/2テレビ東京55.634.8日経NET
 テレ朝スクープ2154--
 読売新聞46.941.6 支持率 急落の46・9%
2/3朝日新聞4936 内閣支持率49%に急落
 毎日新聞5334 発足以来最低53%
 テレ朝サンデープロジェクト5236
 CX報道200151--CX産経テレニュース
 (FNN?)4840CXスーパーニュース
2/4(月)テレビ朝日51.534.6Nステ

 ・ 小泉政権「最大のピンチ」、支持率総崩れ (2/4、ZAKZAK)(産経、朝日、毎日、読売)



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