2001-05-28 田口ランディ盗作疑惑 (2002-04-05 追記) |
田口ランディの盗作疑惑がネットで取り沙汰されている。物見高いは人の常、ってか私の悪癖。ここ数日ワッチしている。田口ランディの書いたものはネット掲載のコラムや日記しか読んだことがない(問題の小説は読んでいない)。パクリ元とされている藤森直子の『Fuckin' Blue Film』も未読、よって疑惑に関しては判断不能。 単行本『Fuckn' Blue Film』は未読だが、その元となった同名のWEB日記は1年ほど前読んだことがある。赤裸々な内容や文章の冴えもさることながら、当時進行中だった美少女ゲームの企画と通底する記述があったために強く印象に残っている。 岡崎京子からの盗作疑惑も指摘されている。まだ無名の藤森直子はさておき、こちらの方はかなりヤバイかも。“カリスマ”という言葉は今では乱発されているが、誇大宣伝的カリスマ・ブームが起こる以前から岡崎京子はカリスマと呼ばれ、熱狂的な愛読者・支持者を獲得していたからなあ。 ネットからブレイクした田口ランディが、ネットを震源とするこの疑惑騒動に今後どういう反応をするのか、興味深い。もっとも、騒動が拡大するか沈静するかは、田口ランディ本人の態度ではなく、ネット以外のメディアの対応次第(この騒動を取り上げるか否か)だろうが。
・ E-Magazine バックナンバー[cybazzi] 注記(1)「サイバッチ!」は露悪的に罵詈雑言を書き連ねるメールマガジンなので、下品なモノが嫌いな人は読まないのが吉。ガセネタあり、要注意。 (2)騒動の中心である掲示板サイト(サイバッチ!曰く、「悪の巣窟・2ちゃんねる」)は複数の板で複数のスレッドが立てられているが、芋づる式に辿れるので1箇所のみリンクしておく。下品・ガセに関してはサイバッチ!の同類。 (3)藤森直子のサイト NAO's Blue Film は一部アダルトなコンテンツを含むのでリンクは省略(ジオシティーズの規約に抵触するため)。 追記(2002-02-19)
2002年2月16日、別件だが、田口ランディが他人の著作の記述を無断使用していたことを認め謝罪&書き直しとの報道あり。(参照→ 02年2月19日の雑談) 追記2(2002-04-02)
4月1日、田口ランディが他人の著作物の無断使用を認め、報告文を版元(幻冬舎)のホームページに掲載して謝罪、幻冬舎は問題の単行本2冊を絶版とし改訂して文庫化するとの報道あり。 被害者である藤森直子の名は報じられていない。(参照→ 02年4月2日の雑談) ★ 追記3(2002-04-05) 田口ランディ(盗作疑惑)関連の雑談は独立ページに纏めた。この項は過去分との繋りもあるのでこの過去ログにも残しておく。(この項の場合、1週間前の雑談で岡崎京子関連サイトについて言及していたという“偶然”が、自分としては印象深い。) ・→ 田口ランディ盗作疑惑 |
2001-05-24 誤記訂正 /塩川大臣2 | ||||
12日の雑談でハンセン病国賠訴訟原告団の谺(こだま)氏の肩書きを誤記していた。団長代理ではなく会長代理。Nステのテロップは「(ハンセン病違憲国賠訴訟)全国原告団協議会 会長代理」。過去ログを訂正した。 最近は訂正や補足が多い。頭ぼけぼけ。まあ、そのうち減るであろー。間違いに気づかないほどボケてしまって。ところで春子さん、メシはまだかね? ボケといえば塩川財務大臣である。今月1日のNステ生出演の時の話しぶりからある種予感はあったが、国会であそこまでやるとは。全国放送されたTVでの証言を「忘れました。話したかどうかも覚えてません」ととぼけたのも凄かったが、先日の「週刊誌で読んだことを経験したように錯覚して話してしまった」という釈明も絶品。並みの政治家には、というか普通の社会人には言えないセリフである。「私はボケてます宣言」だもんな、これ(笑)。こういうキャラだから違法献金問題での「法律をいちいち読んで献金する人はいない」という答弁も、通っちゃうんだろうなあ。追及した共産党の議員は怒ってたけど、深追いすると「たかが30万程度の金で塩爺をいぢめるな」なんて声が上がりかねない。
上がるといえば久米宏、17日は韓国の美人女優イ・ヨンエ(李英愛)がスタジオに来て異常なハイテンションとなっていた。で、番組エンディングでの渡辺真理嬢との会話。
咄嗟にイチローの話にすりかえるワザを見せたが、視聴者が“ワザ”と感じるようではまだまだ。塩川大臣の天然の(としか思えない)ボケ芸には遠く及ばず。 |
2001-05-23 Bird of Prey(補足) /麻雀と外交 /ブッシュパパの息子 |
「A Good Day to Die」をWEB検索した後、スタートレック関係サイトをいくつか見てまわった。21日の雑談で「"Bird of Prey"はクリンゴン帝国の戦艦のクラス名」と書いたが、この名で呼ばれる艦船には偵察艦と巡洋艦の2種があるらしい。戦艦ではなく軍艦の名称と書くべきであった。また「クリンゴンの主力艦である『バード・オブ・プレイ』はもともとロミュランの宇宙船を指す言葉であった」のだそうな。(下にリンクした「クリンゴン帝国」から引用。TVシリーズや映画で使われているのか、明示されていない背景設定に類するものなのかは不明。) ・参照→ スタートレック・ガラクトペディア のバード・オブ・プレイ、クリンゴン帝国
母校エール大の卒業式でブッシュ大統領が「成績Cの諸君、君たちも大統領になれる」と祝辞を述べて喝采を浴びたんだそうな。かの国では映画俳優だって大統領になっている。学業成績が関係ないことは学生たちだって知っている。問題は成績ではなく、どうやって政治家(元大統領なら文句なし)の息子になるか、だったりして。 :-p ・「成績Cの諸君、君も大統領になれる」ブッシュ氏激励 (朝日新聞) |
2001-05-21 A Good Day to Die (05-22訂正追記) |
魅力的だが誰の作かはわからない。手元に手繰り寄せたいのだがかなわぬまま忘れてしまう。忘れた頃にひょっこり現われるが正体を確かめられぬまままた忘れてしまう。そんな言葉や音楽がいくつかある。つかまえた時の感激は大きい。10年ほど前、「その男、狂暴につき」のテーマ曲(「グノシェンヌ」)が気に入ってサントラ盤の代わりにサティのCDを買った時には、長年気にかかっていた曲の名前が「ジムノペディ」だと判明するというおまけ付きで嬉しかった。 先日深夜、TVで「スタートレック・ファーストコンタクト」(字幕版)を見た。ボーグシップとの絶望的な戦闘のさなか、ウォーフが不敵に「It is a Good Day to Die」と言い放つ。誇り高いクリンゴンの戦士にふさわしい言葉だが、この洒落た言いまわしは前から時折目にし、気になっていたものだ。英語圏の人にとっては馴染みのフレーズなのだろう。PCゲーム「ウォークラフト II」のcheat(隠しコマンド、直訳するとイカサマ)としても使われている。思い立ってWEB検索してみた。
岡崎京子による 引用・言及事例集がヒットした。「死ぬにはうってつけの日」という項目が立てられている。この事例集は愛読者たちが知識を集積しているページで、寄せられたコメントによると大元は「もともとはアパッチインディアンの挨拶」ということらしい。
検索でヒットするのはこのフレーズをタイトルにした書籍や映画のレビューが多いが、「スタートレック」、「ウォークラフト」、ネイティヴ・アメリカン(精神世界系)関係のページもいくつかある。私は「ファーストコンタクト」で初めて気づいたのだが、このフレーズはスタトレのTVシリーズで何度も使われているのかも。 Bird of Prey(英文)はページタイトルからスタトレ関係だと思ったのだが("Bird of Prey"はクリンゴン帝国の戦艦のクラス名)、アクセスしてみるとSETIの解析チームのページであった。活動紹介・参加勧誘の挨拶の文末に「It is a good day to die」とある。日本語版(Bird of Prey)では「武士道とは死ぬ事とみつけたり」と訳している。
電波望遠鏡のデータ解析プロジェクトへの参加資格として大和魂の有無を問うとは。この解析チームは、地球の隣人がバルカンではなくクリンゴンだった場合を想定しているのかも。油断していて「one day, one night, Kobayashi Maru」(*)
なんてのは武士にあるまじきこと、というわけ? (^ ^;)
(*)
「スタートレック6 未知の世界」でのドクター・マッコイのセリフ。コバヤシマルとは破滅的状況を指す。字幕は意訳して単に「バッサリ!」となっていた。(いつか暗殺されてしまう、の意)
↑注の作品名を訂正:×「ファーストコンタクト」 → ○「ST6 未知の世界」(22日午後) |
2001-05-18 補足 |
17日の項、解説文を読まないと意味不明な記述になっていたので(喝破云々)、佐藤亜紀の解説文の引用を追加した。 |
2001-05-17 『最後の伝令』 /『托卵』 /團伊玖磨 |
『最後の伝令』(筒井康隆、新潮文庫)読了。新刊で出た当時表題作のみ読み、なにかの拍子に本棚の奥に紛れ込んでしまって、最近まで既読本だと錯覚していた。先日の本棚漁りで発掘。 パニックに陥った、あるいは自身の死を予感しおののく人間の狂態、自意識が崩壊してゆく過程の描写、ユング的夢世界、錯綜する現実と虚構と夢、斬新な(実験的)叙述形式、等々、筒井文学のキモがてんこもりの短編集。解説が佐藤亜紀(『バルタザールの遍歴』、他)とは意外。大絶賛なのに二度びっくり。解説文が“佐藤亜紀節”していて面白いので一部引用する。 「無論、当時、筒井康隆は悪書であった。(略)だが同時にこの悪書は想像力の最初の試金石でもあって、真実一路に図書館で名作路線を歩んだか、時には歯医者の釣銭まで誤魔化して筒井康隆を手に入れて貪り読んだかで、印象派を受け入れた画学生と受け入れなかった画学生、十二音技法を理解した音楽家の卵とそうでなかった卵との違いくらいは、優に出てしまったような気がする。今現在文学周辺をうろついている一九六〇年世代で筒井熱を経験していない者は、勝手な言い草ながら、今ひとつ冴えないんじゃなかろうか」 「アフリカの爆弾」を受け入れられなかった私は佐藤亜紀の喝破するとおり、「今ひとつ冴えない」ことになっている。幸い文学周辺とは無縁の一読者にすぎないので、冴えないからといって人生に不利益はないのだが。 表題作といえば『薬菜飯店』は表題作しか記憶に残っていない。あれも読みかけのまま放置状態なのかも。また本棚漁りして発掘せねば。(「薬菜飯店」は奇跡の健康回復譚で、肉体の衰えに不安をもつ初老男には素敵なファンタジーなのだろうが、私はぴんとこなかった。まだ若いしぃ。)
追記(2004-09-27)
佐藤亜紀のサイトへのリンクを張り直しておく(移転したのは2年以上前)。
Nステを見終わった後、TVをザッピングしていたら筑紫哲也が團伊玖磨について語っていた。そうか亡くなったのか。團伊玖磨といえば私にとっては『パイプのけむり』である。―― ヨーロッパのデパートで女友達のために下着を買ったのだが、後日「下着の中に金髪が入っていた」と言われる。デパートの店員に試着してもらった時にヘアが付いたのだろうが、しかしあの時の店員はブロンドではなかった。はて? ―― コドモの頃読んだこのエッセイ、当時は意味がわからなかった。上下の毛の色が違うというのは2通りの解釈が可能だが、しかし……。 ・参照:→ 多事争論「巨人」 (TBS News23、團伊玖磨追悼、5月17日) |
2001-05-15 ダイオキシン報道訴訟に判決 |
テレビ朝日と環境総合研究所に対し損害賠償(約2億円)と謝罪放送を求めていた所沢農民の請求は本日、全面棄却された。まっとうな判決である。ハナっから訴える相手を間違えてるんだよな。農民が追及し賠償を求めるべきは、データ隠しを続けていたJA所沢市や行政指導を怠っていた埼玉県および厚生省である。 政府(小渕内閣)やJA、ライバル・マスコミに煽られて農民がテレ朝に矛先を向けた時点で司法の判断にかかわりなく農民&テレ朝の負け、政治家・行政・JAの勝ち、と決定していたわけだが、ともかく正当な判決が下されたことは喜ばしい。いろいろ思うことはあるが、騒動当時(99年2〜3月)さんざ書いたのでここでは繰り返さない。(→ 所沢ダイオキシン騒動) 産経は「名誉毀損」に力点を置く妙な記事。比較対照用として挙げておく。 |
2001-05-13 追記(EDのTVCF) (2002 03-31追記) |
10日夜目撃したファイザー製薬TVCFのテロップは「EDは男性機能低下の1つです」となっていたのだが、本日未明に目撃した別バージョンでは「勃起能力の低下をEDといいます」となっていた。文章が違うので別物のはずだが、もしかしたら「男性機能」は「勃起能力」の見間違いだったのかも。
変遷を整理すると、EDの説明テロップ無し→「EDは勃起障害」→「男性機能障害のひとつ」→「勃起能力の低下」(現バージョン)。で、私の見間違いでなければ現バージョンには「男性機能低下の1つ」もある、と。 追記
見間違いではなかった。Nステ終了直後に「EDは男性機能低下の1つです」テロップを目撃(相合傘の安部さん60歳編)。「勃起能力」テロップは深夜用なのかも。(05-14) 追記2 (2002 03-31)
25日にペレ出演の新バージョンを目撃。テロップは「男性機能の低下をEDといいます」。
追記
「通報」を巡る報道は警察による情報操作(虚偽宣伝)であった。帽子男は職場(工事現場)で逮捕されたのではなく、自ら新座署に出頭していた。(07-14) 参照→ 6月15日の雑談 |
2001-05-12 帽子男逮捕 /ハンセン病国家賠償訴訟 /EDのCM3 |
浅草の女子短大生刺殺事件の容疑者逮捕を伝える10日のNステで、「(容疑者が3日前に就職した)建設会社の関係者が、似顔絵によく似た男がいると気づいて山口容疑者の宿舎の部屋から本人名義の献血手帳、財布、そして室蘭発大洗行きのフェリーの半券、これをもって警察に通報、身柄の確保となりました」との記者レポートがあった。フェリーの半券だけならともかく献血手帳や財布も挙げているので、「これをもって」というのは“容疑者である可能性大である根拠として”の意味ではなく、“これらを持ち出して”の謂だと思われる。警察への通報は逮捕に結びつくお手柄には違いないが、これはずいぶんひどい話だ。持ち出しがなかったとしても、勝手に私物検査をしただけだとしても、けしからん行為である。似顔絵に似ているとまわりの者に思われたら最後、人権は喪失してしまうのかね? 結果オーライということなのか、番組ではこの問題には一切ふれなかった。通報者の行き過ぎた行為など指摘したら、視聴者の反感買うのは必至ではあるが。 11日の続報で「悪いとは思ったけど本人の荷物を調べさせてもらった」と語る建設会社社長のインタビュー光景が流れた。悪いと思ったんならしなきゃいい。警察への協力は市民の義務だが、無断で私物検査(持ち出し)をする権利などない。必要もない。「似顔絵に似た男がいる」と通報するだけで十分である。
10、11日の放送でもっとも印象に強かったのは清水コメンテーターが紹介した、「商店主に店の前で署名活動するなと言われた。差別はまだ続いている」というエピソード。数年前(らい予防法の廃止された96年頃だったと思う)TVで見たのだが、国はかつて、患者を隔離施設に移送する際、伝染の危険がないことは承知の上で、大袈裟に患者の家や駅に消毒薬を散布して住民の恐怖心・偏見を煽っていたんだそうな。戦中(日本では戦後すぐ)に特効薬が開発されているのにいまだに差別・偏見が続いているのは、この国家的偏見助長政策の置き土産なのだろうな。 訂正
谺(こだま)氏の肩書きを誤記していた。×「団長代理」 → ○「会長代理」。Nステのテロップは「ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会 会長代理」。(05-24)
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2001-05-10 NステWEBのこと4 |
NステWEBの8日更新分は読み所が多い。「小泉さんは何もできない」と決め付けた大橋巨泉に抗う「渡辺真理の200字 #31」、生出演した塩川大臣への評価が極端に割れた「Your Voice」(視聴者メール)、そして森永・清水・糸瀬3氏の金融政策バトルを含む「NSブーメラン」(Nステのメルマガ)のバックナンバー。“森永vs糸瀬論争”はまた番組でやって欲しいなあ。
「渡辺真理の200字」は連日更新で9日に#32がアップされた。9日未明には#31(のデフォルト)はテキスト版だったが、9日の更新で#31も動画ページになっている(従来どおりテキスト版も併設されている)。あの1行表示動画、評判いいのかしらん?
WEBを巡回しているとトップページやWhat's Newで告知している追加・更新内容がページに反映していないサイトに当たることがある。ほとんどは製作者による転送ミス(漏れ)で、たまにサーバーやブラウザのキャッシュの不具合ということもある。また、更新作業中にアクセスした場合にもこの状態となる(製作者がWhat's Newを先に転送している場合)。 8日の項、またちょっと文章を直した。 |
2001-05-08 恐牛病特集 /大橋巨泉 (05-09追記) |
GW前半は、問い合わせに応え自分用の資料探しも兼ねて本棚漁り。『イラハイ』(佐藤哲也)その他、未読の本がぞろぞろ出てきたが使えるネタは発見できず。発掘した未読本に手をつけたところでお仕事受注。連休直前の受注はよくあるがGW期間中に仕事を受けるのは初体験。一応平日とはいえGWの谷間に仕事の電話があるわけないと油断していて、得意先相手に「ふゎあぃ?」と寝ぼけた応答をしてしまった。 7日のNステの「恐牛病」特集は後半、不審を感じた。新型ヤコブ病(種の壁を超えて感染?)に焦点を当てているのだが、ヤコブ病で想起されるのは薬害エイズと同根の厚生省の不手際なのに、それに言及しない。逆に、厚生省の早めの対応策(萩谷コメンテーターは“羹にこりて膾をふく”的と論評)を紹介するという奇妙な流れ。なんじゃこれは? と思っていたら、最後の最後で久米宏が「まだ続きがあるのです」とタメを入れて、ようやく硬膜移植による感染被害の件の予告Vが出た。厚生省の不手際(と表現しておく)については後日別の特集で扱うらしい。 異常プリオンが体内に入ると体内のプリオンが次々異常プリオン化してゆくというのは『猫のゆりかご』(ヴォネガット)の“アイス・ナイン”を連想させる。これはタンパク質ではなく氷だが。 * * *
大橋巨泉がゲスト出演した4日のNステは面白かった。先日は「爆弾発言連発」と書いたが、自民党批判や巨人批判は巨泉が週刊誌連載で展開している持論であって内容自体に目新しさはなかった。「小泉という人は信用できない、典型的な日和見主義者」とか、「小泉さんに変わっただけで内閣支持率が9%から80%に上がるなんておかしい」、「小泉さんは何もできない」等々を爆弾発言のように感じるというのは、それだけ今のTVからラジカルな発言(者)が消えているということだな。
総裁候補4人が生出演した先月12日の放送に関する巨泉の感想は痛快であった。横柄な態度で番組を掻き回した亀井はトンズラ(本選辞退)、麻生は地方票0。巨泉は「(麻生太郎は)地方票0なのに入閣。自分の票も読めないような人に大臣をやってほしくない」と酷評。まったく同感。ただし麻生は入閣ではなく党3役入りである。これはすぐ訂正フォローを入れてほしかった。出演者もスタッフも、誰も気づかなかったのだろうか。 「ハイセイコーは名馬でもなんでもない」「(ホームランを量産している)西武のカブレラはメジャーリーグでは打てない、メジャーに上がることもできないだろう」という発言が妥当なものなのか珍論奇論の類なのかは私にはわからない。わからないが、確実に敵を増やす爆弾発言であることは私にもわかる。(^ ^;) ハイセイコーを貶したのはマスコミ批判が尾をひいていたのだろうし(一斉に小泉支持・礼賛に流れるマスコミはおかしい→ハイセイコー特集のディレクターの演出はおかしい、という“過剰演出”批判繋がり)、カブレラを腐したのは日本のプロ野球のレベルが落ちていることを強調するためだろうが、勢い余った暴論のようにも思えた。
セミ・リタイア宣言以後も巨泉はちょくちょくTVに登場している。未練たらしいオヤジだとずっと不快に思っていた。見方が変わったのは昨年1月のNステ中継出演での巨人批判。かつて「野球は巨人、司会は巨泉」をキャッチフレーズにしていた巨泉による巨人批判は新鮮だった。 追記
・NステWEBの「渡辺真理の200字」が約3カ月ぶりに更新された(#31)。巨泉の小泉内閣批判に「でもね..」と慎ましく抵抗。巨泉の放談を横で聞きながら口とんがらせていた真理嬢の横顔が思い出されて可笑しい。(εー) ・文章、ちょっとリライトした。(以上、9日未明追記) ・「200字」が予告どおり連続更新された(#32)。上記エッセイ(#31)のバックナンバーにリンクしておく。(9日夜追記) → 巨泉に言及している「200字」#31(のテキスト版) |
2001-05-04 イノダの思い出 |
ほぼ2カ月ぶりにマリーな部屋(in ほぼ日刊イトイ新聞)が更新された。もしGWが休みなら「ココ行ってのんびりお茶した〜〜い」店として京都や北海道の甘味処&喫茶店が紹介されていて、京都篇ではイノダコーヒの名があがっている。懐かしい。関西にいた頃は私も友人たちと連れ立ってよく行った。学生街の喫茶店と同じ感覚で一杯のコーヒーで何時間も粘る迷惑な客であった。
ゲストブックに「三条店は奥に中庭があって」云々と書いたが、もうずいぶん昔のことで記憶が怪しい。念のためWEBで検索してみたら本家本元、イノダコーヒのホームページがあった。う〜む。店舗紹介の写真と記憶が合致しない。同じく検索で見つけた自家焙煎珈琲:イノダコーヒに本店の「噴水のある庭」の紹介写真があるが、これも私の記憶と一致しない。もっと緑の多い庭園風だった。 イノダにたむろして硬軟とりまぜ多くのことを飽きずに語らったが、記憶に残っているのはわずかな断片のみ。印象的だったからこそ残っているのだろうが、……フリーメーソンが一般人の中にいる時、周囲に知られないように仲間に助けを求める時の合図について開陳したらB君がいきなり「こう?」と実演して友人一同度肝を抜かれたとか(ソレは「周囲に知られないように」どころではない、まわりの視線を一瞬で集めてしまうもの凄く目立つ仕草なのである)、アクアフィルターの使い方を間違って教えられフィルター内の水を一気に吸い込んでしまって目を白黒させるK君の顔とか、廣松音頭を披露した時のT君の軽蔑の視線とか、……実に他愛ないことばかり。 お気に入りだった喫茶店がどの店舗だったのかさえ怪しい。覚えているつもりのイノダでのエピソードも、歪んでいるのだろうなあ。♪アルスエトバスアンデレス(ハィイ)、信じる者は救われる(ヨィショォ)……
4日深夜追記。生ゲスト巨泉は、爆弾発言連発で凄かった。感想はまた後日。 |
2001-05-02 塩川財務大臣Nステ生出演 |
TVというメディアは、語られた言葉の中身より表情や態度の方がはるかに印象度が強い。こんなことはマスコミ論では常識だろうが、1日のNステに生出演した塩川財務大臣を見ていてあらためて実感した。 「適材適所」を標榜する小泉新総理がボケかけた老人を財務大臣に指名するはずはない。この塩川という人は柔和な風貌・話術を武器として“森派の重鎮”というポジションにまで上り詰めたのだろうなあ。やっかいな質問への答えをすべて回避し、しかも悪印象は与えない。やはり老練と言うべきなのか。 重要なポストにある、あるいは世間的に注目度の高い政治家に「またご出演ください」と声をかけるのはお約束の挨拶のようなものだが、久米宏は塩川大臣がずいぶん気に入ったようであった。 人柄だけでなく、飄々としたこの人の語りには視聴者をひきつける魅力がある、とTVマン的視点で好感触を抱いたのかも。“財務大臣へのインタビュー”としては明らかに不発だったのに、機嫌は上々。久米宏はあくまで“TVの天才”なんだからこれはこれでいい。ジャーナリスト出身の、あるいは自分は報道人であると自負しているインタビュアーなら、ニコニコ笑いつつも「肝心な質問には全然答えてもらえなかった」と嫌味の一つも言うのだろうが。 生出演コーナーが終わり挨拶がすむと、さっさと立ち上がりスタジオを出て行こうとする塩川大臣。カメラはまだ生きているのに。久米宏と渡辺真理嬢も慌てて立ち上がりお見送りをするというバタバタかつホノボノとした光景が展開した。こういうハプニングは、視聴者はもちろん番組にとってもおいしい(大臣お見送りに続けて世田谷一家殺人事件の続報の原稿読みをした真理嬢は表情の切り換えに苦労していたが)。塩川大臣の好感度もさらにアップしたことであろー。 |