所沢ダイオキシン騒動

近況雑談から抜粋)

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更新履歴&メモ
2004-06-15 テレ朝と農家が和解へ?
03年10月(最高裁が差し戻し決定)と12月(差し戻し控訴審)の記事を追加。
2003-06-27 最高裁が農家側の上告を受理、弁論を開くことに。記事備忘を追加。
2002-03-05 敗訴した原告(所沢農民)が上告。
2002-02-23 環境総合研究所の99年2月のレポート(「所沢の農作物ダイオキシン問題のその後について」)へのリンク(3ヵ所)は、ファイル移転のため現在デッドリンクとなっている。レポートへは環境総合研究所の更新履歴からアクセスされたし。
2002-02-20 東京高裁が原告側控訴を棄却。2001-05-15の項に追記。
2001-05-15 近況雑談から1項追加(一審判決)。
2000-02-08 作成(99年2〜3月の近況雑談から抜粋・独立ページ化)。



 2004-06-15  テレ朝と農家が和解へ
 野菜から高濃度のダイオキシンが検出されたとの報道で価格暴落などの損害を受けたとして、埼玉県所沢市の農家らが「ニュースステーション」を放映したテレビ朝日に賠償と謝罪広告を求めた訴訟の差し戻し控訴審が、和解する見通しになったことが分かった。16日、東京高裁で成立するとみられる。

(中略)

 テレビ朝日が99年2月に放映したダイオキシン報道について、最高裁は昨年10月、「報道の一部は、主要部分について真実との証明がない」と認定し、テレビ朝日勝訴の1、2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。高裁では農家らが受けた損害額を中心に審理がされていた。


 環境総合研究所のサイトに青山貞一氏(所長)の論考が掲載(再掲)されている。最高裁判決の不当性の指摘など、必読。




 2003-12  差し戻し控訴審(記事備忘)

 ・ <汚染報道控訴審>テレ朝主張「最高裁の事実認定に誤り」 (12/18、毎日)

 所沢産野菜のダイオキシン汚染報道をめぐる訴訟の差し戻し控訴審が17日、東京高裁で始まり、最高裁判決で「報道の主要部分に真実の証明がない」と判断されたテレビ朝日側は「最高裁の事実認定に誤りがある」と主張し、争う姿勢を示した。生産農家側は、名誉棄損の成立を前提に、改めて損害賠償と謝罪広告を求めた。

 (この項、2004年6月15日アップロード)




 2003-10  最高裁が差し戻し判決

 16日、最高裁が差し戻しの決定を下した。久米宏は番組中に農家に対してお詫びコメント。

 私見はすでに6月に書いてあるので略。

 ・ テレ朝ダイオキシン判決 番組の「印象」重視に戸惑い (03年 10/17、読売)




 以下の記事はすでに削除されている。備忘用に引用しておく(適宜抜粋してある)。

 ・ 真実の証明ないと差し戻し ダイオキシン報道 (10/16、共同)

 「埼玉県所沢市産の野菜から高濃度のダイオキシンが検出された」とするテレビ朝日の報道が事実か否かが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は16日、「真実の証明があったとはいえない」との判断を示した。所沢市の農家がテレビ朝日に求めた損害賠償請求などを退けた1、2審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。

 判決は、テレビ報道が人の社会的評価を低下させたかどうかについて、一般視聴者の受け止め方を基準とし、放送内容全体から受ける印象などを総合的に考慮すべきだ、との初判断も示した。

 ・ テレ朝ダイオキシン訴訟、農家側が実質逆転勝訴 (10/16、読売)

 第1小法廷は報道の重要部分について、1審・さいたま地裁、2審・東京高裁の判断とは異なり、「ホウレン草など所沢産の葉物野菜が全般的に高濃度のダイオキシンに汚染されているという事実」と指摘。そのうえで、「この放送を見た一般の視聴者は通常、葉物野菜にせん茶が含まれるとは考えない」と認定した。

 1、2審は、所沢産のハクサイから同レベルのダイオキシンが検出されたという別の調査結果が存在することなどを理由に、「報道は真実」と判断したが、最高裁は「調査したハクサイの採取場所が不明確なうえ、検査対象も1つだけで、真実の証明にはならない」と結論づけた。

 また、第1小法廷は判決の中で、「テレビの報道番組は新聞記事などと異なり、視聴者が音声や映像により次々と提供される情報を瞬時に理解することを余儀なくされる」と、テレビの特殊性を指摘。

 そのうえで、テレビ報道の名誉棄損の有無を判断するには、「番組の構成や出演者の発言だけでなく、効果音やナレーションなど放送全体から受ける印象などを総合的に考慮すべきだ」と述べ、最高裁としての初判断を示した。

 差し戻し審では、最高裁判決を踏まえ、改めて名誉棄損の成否などが審理される。 一方、ダイオキシン問題の報道自体については、泉徳治裁判官が、「根源的な問題は廃棄物焼却施設の乱立にあり、生活環境の保全を訴える一連の報道の意義は評価できる」との補足意見を述べた。

 ・ <ダイオキシン報道>テレ朝勝訴の2審破棄 最高裁 (10/16、毎日)

(略)同小法廷は「報道の一部は、主要部分について真実との証明がない」と全員一致で認定した。(社会面に関連記事)

 同小法廷は、テレビ報道による名誉棄損の成否について、「新聞記事の場合と同様に、一般の人の普通の注意を基準とすべきで、発言内容やテロップなどの文字情報を重視するのは当然として、映像や効果音など全体から受ける内容を総合的に考慮すべきだ」との初の基準を示した。

 ただ、泉徳治裁判官は「農家の被害の根源的な原因は、報道が取り上げてきた廃棄物焼却施設の乱立にあり、一連の報道の意義は評価できる」との補足意見を述べた。

 最高値が野菜でなかったことを、当時テレビ朝日側は知らずに放映していたが、1、2審判決は、番組が報じていない別の研究者の調査で白菜から3.4ピコグラムのダイオキシンが検出されていたとのテレビ朝日側主張を採用し「不適切な表現だったが、主要部分は真実」と認定。これ以外の放送内容についても、農家側の訴えを退けていた。

 差し戻し審では事実上、損害額の審理が中心になる。

 ・ ダイオキシン報道、テレ朝の勝訴破棄 最高裁が差し戻し (10/16、朝日)

 これに対し、第一小法廷は、番組の全体的な構成や映像の内容、出演者の発言などに照らし、放送の重要部分は「所沢産の葉物野菜が全般的に高濃度のダイオキシンに汚染されている」という部分だと位置づけた。そして、「他の研究機関がわずか1検体の白菜から似た濃度の値を検出したからといって、全般的に汚染されていることが真実だという証明にはならない」と結論づけた。「視聴者は葉っぱものに煎茶が含まれるとは考えないのが通常だ」とも指摘した。

 ただ、泉徳治裁判官は「農家の人々が被害を受けたとすれば、その根源的な原因は廃棄物焼却施設の乱立にあることにも留意する必要がある」と補足意見を述べた。放送後の99年7月に新たにダイオキシン類対策特別措置法が成立したことなどを挙げ、「公害の源を摘発し、生活環境の保全を訴える報道の重要性は改めて強調するまでもない。テレ朝の報道の全体的な意義を評価することに変わりない」と付言した。

 差し戻し審で真実が証明されない場合は、農家が実際に受けた損害の程度などが審理される。

 一、二審判決などによると、99年2月1日放送の番組は、ダイオキシン濃度の調査結果のデータを提供した環境総合研究所長と久米宏キャスターが問答。所長は「葉っぱもの」と指摘したが、久米キャスターは「野菜」と繰り返した。説明板も「野菜のダイオキシン濃度」と書かれていた。

 研究所は検体提供者への配慮からテレビ朝日側に個々の品目を伝えず、「所沢産農産物から検出された値」とした。ダイオキシン濃度の数値を伝えることも、放送直前に急きょ決まったことだった。打ち合わせ時間が十分なかったため、スタッフや久米キャスターは「問題の品目は野菜」と誤解したまま本番を迎えたという。

 ・ ダイオキシン訴訟判決でテレビ朝日がコメント (10/16、テレ朝)

 ダイオキシン問題を取り上げたテレビ朝日の報道をめぐり、埼玉県の農家らが損害賠償などを求めていた裁判を受けて、テレビ朝日は東京高裁での差し戻し審で、「引き続き考えを主張する」とコメントしました。

 テレビ朝日・中井報道情報局長:「本日の最高裁判決は人々の生命や健康にかかわる事項について、国民の知る権利や報道の自由を制約する可能性を含んでいる」、「報道により、ダイオキシン類対策特別措置法が制定されるなど、一定の成果があったと考えている」

 (この項、2004年6月15日アップロード)




 2003-06-27  最高裁が二審判決見直し?

 ・ 農家側の敗訴見直す可能性 ダイオキシン報道で最高裁 (6/26、共同通信)
 ・ テレ朝のダイオキシン報道訴訟で最高裁が9月に弁論 (6/26、読売)
 ・ <テレビ朝日>ダイオキシン検出報道で最高裁が弁論開催へ (6/26、毎日)
 ・ テレ朝勝訴のダイオキシン報道、最高裁が二審判決見直し (6/27、朝日)

 テレビ番組「ニュースステーション」の報道をきっかけに、埼玉県所沢市産の野菜の価格が急落したとして、同市の農家が、同番組を放送するテレビ朝日に賠償と謝罪広告・謝罪放送を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は、弁論を9月11日に開くと決めた。「報道の主要部分は真実」としてテレ朝を勝訴させた一、二審判決を見直す公算が大きくなった。テレビ報道の名誉棄損の成否について、最高裁が初めて基準を示すとみられる。

 今回の訴訟では、テレビ報道の特殊性に照らし、報道全体から一般視聴者が受ける「印象」を重要な判断要素とするかどうかが最大の争点だ。

 二審・東京高裁判決は「所沢産の野菜が広くダイオキシンに汚染され、食べると健康被害が生じる恐れがあるとの印象を与えたことは否定できない」としながらも、「視聴者が受ける印象は千差万別。印象を真実だと立証しなければならないとすると、報道を客観的な基準なく著しく規制することになり相当でない」と判断した。

 これに対し、農家側は「テレビ報道は、映像や効果音で視聴者に訴えかける特性がある。名誉棄損の成否は、一般視聴者が受けた印象に基づいて判断されるべきだ」などとして上告受理を申し立て、26日に受理された。

 (以下略)

出典:テレ朝勝訴のダイオキシン報道、最高裁が二審判決見直し (6/27、朝日)


 Nステは26日、スポーツコーナーの後に久米宏が淡々とニュース原稿を読み上げた。


 「最高裁で弁論が開かれた場合は2審判決の結論を変更するケースが多い」(共同通信)ということで、朝日、読売の記事は“判決が見直される公算が大きい”としている。

 二審は「報道内容は真実」とし、Nステの報道の公益性も認定している。(たとえ事実であっても名誉毀損は成立するとはいえ)「一般視聴者が受けた印象」で名誉毀損を争うのは無理筋……と思っていたのだが、雲行きが怪しい。二審判決(東京高裁)が指摘しているように「テレビ報道の『印象』を審理対象にすることは、表現行為を著しく規制することになりかねない」のだが。

 最近は個人情報保護に名を借りたメディア規制法が成立するなど立法府がひどいことになっているが、この最高裁の決定は、政・官による報道の締め付けに司法も加担していく動きの現われなのかも。



 2001-05-15  ダイオキシン報道訴訟に判決 (02-02-20追記)

 テレビ朝日と環境総合研究所に対し損害賠償(約2億円)と謝罪放送を求めていた所沢農民の請求は本日、全面棄却された。まっとうな判決である。ハナっから訴える相手を間違えてるんだよな。農民が追及し賠償を求めるべきは、データ隠しを続けていたJA所沢市や行政指導を怠っていた埼玉県および厚生省である。

 政府(小渕内閣)やJA、ライバル・マスコミに煽られて農民がテレ朝に矛先を向けた時点で司法の判断にかかわりなく農民&テレ朝の負け、政治家・行政・JAの勝ち、と決定していたわけだが、ともかく正当な判決が下されたことは喜ばしい。

 産経は「名誉毀損」に力点を置く妙な記事。比較対照用として挙げておく。



追記  02年2月20日、東京高裁は一審判決を支持、原告側の控訴を棄却。上の項のようにリンクのみでは時間が経つとサーバーから記事が削除されて参照不能になる。資料として一部引用しておく。

 雛形裁判長は「せん茶だと断らなかった報道は不適切だった」としたが、別の調査で放送当時の所沢産の白菜に高濃度のダイオキシンが検出されていたことを指摘。「報道内容は真実で、情報提供した研究所側も不法行為責任を負うことはない」と述べた。
農家の賠償二審も棄却、上告へ テレ朝 ダイオキシン報道、2/20、朝日)
 この日の判決は「報道は野菜生産者の社会的評価を低下させたが、公益を図る目的が認められ、不法行為責任は成立しない」と判断。テレビ朝日側が最高値を示した検体がせん茶だと知らずに報じたことについても「別の調査で、所沢産の野菜から同レベルのダイオキシンが検出されており、真実性は証明されている」と認定した。一方、番組については、疑惑をうかがわせるナレーションや効果音から、「視聴者に所沢産の野菜が広く汚染されており、健康被害の恐れがあるとの印象を与える面もある」とも指摘したが、「テレビ報道の『印象』を審理対象にすることは、表現行為を著しく規制することになりかねない」と述べた。
テレ朝「ダイオキシン報道」、2審も農家側敗訴 、2/20、読売)




 99年03月02日  所沢ダイオキシン11 Yahoo!掲示板
  • TVで「インターネットの掲示板」を取り上げる時よく紹介されるYahoo!の掲示板を、今朝初めて覗いてみた。数百の掲示板があるのがウリらしいが、数の多さを誇る掲示板群は中身が薄くて表示は重いという印象があって今までは敬遠していたのである。(^^;) 目当ては「所沢ダイオキシン」。あったあった、そのものスバリの掲示板が設置されていた。以下、ざっと粗く流し読みした感想。

  • 参加者は概ね真面目だが、暴言中傷不毛な論難等々ネガティブ投稿も盛りだくさん。もっとも、これはこの種のテーマ掲示板には漏れなく付いてくる付属品みたいなもんだけど。そーいうゴミを掻き分けつつコツコツ読み進んでいると、結構参考になる投稿もあった。

  • 「民間の調査機関」へのアテコスリ投稿に対して、国(官庁)の調査研究はほとんどが民間機関への外注である、との指摘あり。「一部のTV報道」が「テレ朝が報道したデータは民間の調査機関のもの」と妙にいわくありげに強調し、その後、宮下厚生大臣もインネンをつける発言をしているが(2月12日)、滑稽なことにその厚生大臣発言の数日後に始まった3省庁の緊急実態調査が「分析は民間の調査機関に委託」することとなったのは、そういうお上の事情があったわけか。

  • テレ朝叩きが始まった頃(2月上旬)、某局某番組ではキャスターが調子に乗ってかなりドギツイ表現でテレ朝を皮肉っていたとの投稿あり。それ(発言内容)が本当だとすると、CX「ニュースJAPAN」の木村太郎のコメント(2月18日)は[さらに下があるという意味で]「最低」ではないということになる(笑)。真偽を確認できないので発言内容の紹介は控える。

  • 「一部のTV報道が、所沢の野菜はダイオキシンに汚染されていると報道した」という他局の二次報道が「誤解」を拡大したのではないか、との指摘あり。先日読んだある個人サイトのコラムにも、「二次報道が不安を再生産して価格暴落に拍車をかけた」との意見があった。ふ〜む。……いろいろ思うところはあるが、ここではコメントは控えておく。

  • 所沢のダイオキシン汚染は何年も前から問題となっており、市民は対策を求め、マスコミでもたびたび取り上げられている。が、政治家・官庁・自治体はまともに動こうとしなかった。今回の「騒動」(野菜暴落)で農民が被害者となったとたんに政治家・官庁が一斉に動き出した。政治家が誰(どの層)を大事にし、誰をどーでもいいと思っているかが露呈した形だ、との指摘あり。

  • ダイオキシン問題はゴミ問題であり、消費者(国民全体)にも責任があるという主張があるがこれはおかしい。責任はあくまで製造者(企業)にある。そのままでは有害物質の発生源になる物を製造し、処理のコストは負担せずに利潤にまわしておいて、そのコスト(責任)を消費者に押し付けようとする責任転嫁の論理である、との意見あり。
    エコ関係の啓蒙サイトでも、「消費者側にも責任あり」という主張を見かけることがある。エコ啓蒙派がこれを言う場合は、もちろん責任転嫁の意図などはないんだろうけどね。経済システムを絡めると泥沼にハマるからなあ。リサイクル社会を目指そう程度のソフトな表現にとどめておけば深みにハマる危険もないけど。それを承知の上で、あえて韜晦している人もいるんだろうな。


 99年03月01日  WEBで関連記事・データを検索
  • あまり深入りする気はないのだが、先月24日に書いたダイオキシン濃度&摂取量に関しては元データを確認しておきたい。WEBでダイオキシン関連サイトをちょっと廻ってみた。同じ数値(表)を掲載しているページを発見。数値がおかしい件は単純な転記ミスではないのかもしれない。
    データ探しのついでに記事を読んでいると、読むほどに気が滅入ってくる。

    • 体内に蓄積したダイオキシンを1年で半減させる方法がある。……母乳を約1年間出し続ければいい。(それを飲む乳児は母親の溜め込んだダイオキシンの60%を相続することになる)
      参照:→えこ爺の環境宣言ダイオキシン入門 実際の摂取量

    • 所沢市くぬぎ山周辺で「出産異常が多発」との指摘があり、厚生省が調査に着手(97年11月)。調査結果は見当たらなかった。
      参照:→埼玉新聞 97年11月29日

  • 余談1。データ・記事の掲載・転載をしているページをいろいろ見たが、出典(引用元)、資料の公開日時、調査日時、調査責任者or機関等々を記載してないものが多い。困ったもんだ。また、新聞社サイトでは記事中に月日の記述しかなく(中には「日」しか書いてないものもある)、何年の記事なのかはファイル名や階層名から推測するしかないというケースもある。これもちょっとナニだねえ。(上記埼玉新聞の記事はページ内に記事掲載の年月日を明記してある)

  • 余談2。埼玉新聞のホームページは先月上旬、「騒動」の最中にチェックしたのだが(*)、「国内・国外ニュース」は共同通信社へのリンクだし「県内情報」は団体・施設のリンク集、てっきり埼玉新聞独自の記事はWEBで公開していないものと早合点していた。検索エンジンであれこれ探していて、偶然記事の在処を発見した。(^^;) で、検索エンジンから飛ぶと現時点では「file not found」になる。びっくりしたが、これは2月末にサイトが丸ごと引越ししたためであった。(^^;;;
    ダイオキシン関連記事は結構充実している(地元だから当然とも言えるが)。トップページからもっとわかりやすい形でリンクすればいいのに。
    (*)先月チェックしたのは旧アドレスの方(http://www.cyberlink.co.jp/saitamashimbun/)


  • 駅前のスーパー(サミット)で埼玉・所沢産のホウレン草を売っていた。買わなかった。先月13日に売っていたモノ(埼玉産だが所沢ではない)より高いんだもん。中アジ1尾より高価なホウレン草なんて、ゼータク品である。


 99年02月27日  週刊誌の記事
  • 24日「ニュースステーション」のラスト・ニュース、渡辺真理嬢は「未必の故意」を”秘密の恋”と読み間違えた。このファニーなミスを、久米宏は事務的に訂正するのみ。おかしい。やはり久米宏、本調子ではない。

  • 遅ればせながら週刊誌のダイオキシン「騒動」関連記事をチェック。テレビ朝日と同系列の「週刊朝日」はさておき、他は予想どおりのカス記事。取材・検証を踏まえての報道批判ではなく、「久米宏(ニュースステーション、テレビ朝日)叩き」まずありきで記事を作ったのが歴然で、中身もやっつけ仕事。例えば「週刊文春」2月25日号。農民の怒りの声を載せるのはお決まりとしても、普通なら識者・権威(専門家)に語ってもらう(威を借りる)のが定法の報道姿勢・科学的根拠の批判まで「農民」(インタビュー)に代弁させるお粗末ぶり。宮下厚生大臣の論法に倣って、民間人であり直接の利害関係者である農民のテレ朝批判は『主観的』であり『権威』がない、などとバカなインネンをつける気はないが、いくらなんでも手抜きが過ぎる。

  • 「サンデー毎日」2月28日号の時事コラムによるとテレ朝批判は日テレが先鞭をつけ、10日になって読売新聞がこの動きに乗ったということらしい。

  • テレビ東京の一木社長が25日、定例会見でテレ朝批判をしたそうな。CXの日枝社長も同日の定例会見でこの件にふれたが、自局が「ウオンテッド」ヤラセ疑惑の渦中にあるためか歯切れの悪い一般論でお茶を濁したらしい。
    (参照記事:→ ダイオキシン問題でテレ東社長がテレ朝を批判


 99年02月24日  所沢ダイオキシン10 野菜と魚介類
  • 先週金曜は「Shall we ダンス?」を前半1時間だけ見てチャンネルを変えた。「謝罪」放送翌日の「ニュースステーション」が気になったからだが、特にどうということもなし。その「どうということもない」従来どおりの番組進行ぶりがカンにさわる向きもあるらしく、「久米宏知らんぷり」などとイヤミな見出し&記事を載せた夕刊紙もある。ダイオキシンより久米宏叩きか。夕刊紙がナニやろうと知ったこっちゃないけど。

  • 「Shall we ダンス?」の後半は以前録画したビデオで見るつもりだったのだが、見当たらない。置き場が無いので溜まるはじからビデオテープは段ボール箱に詰め込んでいる。整理メモをつけていないので、時々こういう悲しいことになる。

  • 金曜はなんの変化も感じられなかったが、22日月曜の久米宏は妙に神妙というかテンションが低かった。番組終了間際に渡辺真理嬢の髪型をからかう時以外は。まあ、あの髪型に一言もふれないようでは久米宏もおしまいだが。って、なんだそれ。(←ナンシー関文体)


  • 23日の「ニュース・プラス1」は「省庁がダイオキシンの統一基準作りを始める」というニュースに続けて日本テレビの世論調査結果を紹介した。ダイオキシンが有害な物質であることを知っている人は9割、しかし「意外な結果が出た」(ナレーション)んだそうな。ダイオキシンを多く含む食品は何だと思うかという設問で「今回の騒動の影響か、野菜と答えた人が4割に及んだ」んだと。
    何が「意外な結果」なんだろう? 意外だと感じるとすると、その人は「野菜は比較的含有量が少ないというのは常識、それは世間の人も知っているはず」と思い込んでいたということになるが、それって誰? 日テレの番組スタッフ? 日テレでは以前から頻繁に食品別のダイオキシン濃度を報道していたの?
    それにしても「今回の騒動の影響か」とは姑息なアテコスリ(*)也。

    (*) 2月1日以前に同じ調査をしていないのなら「今回の騒動の影響」を云々することはできない。本来言えない、また言う必要も無いことを、断定口調を避けつつあえて言う意図は、やはりライバル叩きであろー。

  • 「ニュース・プラス1」でも紹介していたが、ダイオキシン濃度は野菜より魚介類の方が高いという調査データがある。摂取量の試算もあり、WEBで読むこともできる。例えばファミテック農園のダイオキシン関連資料8「食品中の平均的なダイオキシン類濃度と摂取量」

    この試算(*)はなかなか興味深い。ダイオキシン類の濃度は「魚介類」は「野菜類・果物等」の約50倍だが、食品摂取量を勘案すると(野菜・果物の方が分量を多く食べるため)約7倍程度に接近する。「野菜類・果物等」の濃度は0.02ピコg(**)として試算している。
    この試算が設定している「野菜類・果物等」の食品摂取量(約630g)と所沢ホウレン草の数値(JA所沢市の発表データ0.43)を掛け合わせると……1日の摂取量は約270ピコg、魚介類の約2.5倍となる。ダイオキシン濃度は魚介類の方が野菜より高いが、1日摂取量では野菜の方が倍以上多いという逆転が起こるわけだ、所沢の数値で計算すると。

    (*) 具体的な数値を引用したいところだが数値の表記が一部明らかにおかしいので(転記ミス?)、約○倍という紹介にとどめておく。

    (**) 上の注の「数値の表記がおかしい」というのは(掛け算の)計算が合っていない(^^;)、ということなのだが、数値自体にもちょっと疑問がある。「野菜類・果物等」の濃度は上記のように「0.02」という数値を挙げているのだが、環境総合研究所レポートで引用されている「平成8年、厚生省トータルダイエット調査野菜測定分析結果、(ほうれんそうデータ)」の「近畿、九州の2試料平均」数値は、これより約5倍も高い「0.114ピコg」となっている。


 99年02月20日  所沢ダイオキシン9 茶番
  • 19日、小渕総理以下、閣僚が揃って所沢産ホウレン草を食べるパフォーマンスをした。「3.8ピコg」はホウレン草ではなく煎茶、と公表されてからやるとは。今政治家に求められているのは、狭山茶のガブ飲みパフォーマンスなのにねえ。

    ……違うってば。 (- −#)凸


 99年02月19日  所沢ダイオキシン8 一段落
  • 18日、埼玉県は「民間の調査機関」(環境総合研究所)から送付されたデータを公開した。記者会見では、ダイオキシンの最大値「3.8ピコg」が検出されたのは煎茶(製品)であり、ダイオキシンは水に溶出しにくいので湯を使う普通の飲み方では含有量の2%程度しか湯に溶けない、健康には影響は無いとの見解を示した。
    マスコミの常套句「事実上の安全宣言」というやつだ。しかし、こーいうのは「願望上の」とでも形容すべきだな。安全宣言しておいてから「湯出しした場合の溶出量はこれから調べる」埼玉県、安全宣言した後から実態調査を始める農水省。公表すればパニックになるからと2年もデータを隠しておいて、データ公表の記者会見では「厚生省の調査数値と大差ないレベルだ」と厚顔無恥な説明をするJA所沢市……。JAやお役人たちは、消費者がバカだと思っているらしい。(ここは、小田嶋隆なら「そして、まさしく消費者はバカなのだが」とでも続けるところだな。)

  • 同日の「ニュースステーション」は特別編成でダイオキシン問題特集。キャスター久米宏は、最大値が検出されたのは「野菜」ではなく「葉物」あるいは「農作物」とすべきだった、誤解を招く表現で農家の方に迷惑をかけたと謝罪した。

  • 同日TBS「News23」とCX「ニュースJAPAN」は、この「ニュースステーション」の映像を流し、「誤りを認め謝罪した」と報じた。−−確かに謝罪はした。しかし、久米宏の説明は「誤りを認める」ようなものだったか?……まあ、そういう言い方もアリかもしれん。しかし、これではまるで「ニュースステーション」の報道が誤報(あるいは虚報)であって、それを久米宏(テレ朝)が認めたような印象が強い。「誤りを認めた」というのは「説明が不十分で誤解を与えかねない表現」なんじゃないのか? >テレ朝叩きに熱中しているマスコミ

  • 「ニュースJAPAN」は久しぶりに見たのだが……安藤優子のコメントはひどかった。が、その直後に木村太郎がトンデモ発言をしたため安藤優子のコメントなんてぶっとんでしまった。
    偉そうに報道の基本(4W1H)の講釈を垂れた後の木村太郎の結論は、「報道すべきではなかった」
    一連の騒動に関してはさまざまな意見をTVやWEBで見聞したが、第三者の発したコメントとしては、木村太郎のそれは正真正銘の最低レベルのものだ。
    こうボロクソに評する以上はそのサイテー発言を正確に引用しておくべきなのかもしれんが、あまりにバカバカしいので割愛する。(後日のために録画はしてある。気が向いたら追記するかもしれない。)


  • 茶葉からケタ違いの高濃度なダイオキシンが検出されたのは、茶葉が収穫されてから製品になるまでまったく水洗いされていないためらしい(研究者の推測)。だからといって、所沢の野菜でもよく水洗いすれば大丈夫とか、茶葉そのものを食べないようにすればいいなどと言うとすれば、それは従来どおり所沢産野菜を消費(購買)させることしか考えていない者の言である。誰が何を言ったか、その立場・身分と共に、よく覚えておく必要がある。

    埼玉県は、煎茶は生葉の約5倍に濃縮される、3.8ピコgといっても生葉に換算すればホウレン草と同レベル程度だ、問題ない、などと説明したらしい。そのホウレン草の0.75という数値はJA所沢市の数値(0.43)より7割以上高く、厚生省の平成8年度調査データ平均値の4倍以上の数値だが、それでも「問題ない」のか? 環境総合研究所摂取量試算によると、WHOの許容基準値を上回っているぞ(米国環境保護庁の基準値の100倍!)。
    そんな高濃度のダイオキシンが「農作物」から検出されるような地域で農業を続けていて、大丈夫なのか?

    埼玉のお役人は「毎日茶ソバを食べる人はいない」と迷言を吐いたようだ。それはそうかもしれん。しかし、所沢の住民(農民も含む)は毎日、所沢の空気を吸ってるんじゃないの? 野菜からの摂取以上に、そのことの方が深刻な問題だと思うのだが。
    産廃処理業者が日曜の操業自粛をするらしい。所沢の住民は日曜日に1週間分の空気の吸いだめをしろってか。


    「魚が出てきた」、しかし島の町長も米軍特殊部隊も、「浮いてきた魚を食べなければ大丈夫!」と必死で叫んでいる。


 99年02月17日  所沢ダイオキシン7 乱舞は続く
  • 「テレ朝報道に怒り感じる」(テロップ)−−今日午前の衆院農水委で中川農水大臣はテレ朝の報道を「厳しく批判」し、「農水省としても被害を受けた農家などへの支援に全力を挙げる考えを示した」
    「損害の原因が報道にあればテレビ朝日に賠償責任」(テロップ)−−中川大臣は「報道が損害を与えた原因であると判断されればテレビ朝日に賠償の責任が生じると指摘」した。(CX「ニューススピーク」)
    昨日の埼玉県の発表では「(経済的)損失」という言葉を使っていたと思うが、中川農水大臣は「被害を受けた」「損害」と、露骨にテレビ朝日を加害者扱いする物言いを続けている。備忘のため記録しておく。

    本日正午前の民放各局のダイオキシン関連報道は、埼玉県の産廃処理協会(業者団体)が加盟各社に日曜日の操業自粛を申し入れることにしたというもの(日テレ、TBS、CX、テレ朝)。上の中川発言をニュースとして取り上げたのはCXのみ(ただしザッピングで確認したため、見落とした可能性あり)。


 99年02月16日  所沢ダイオキシン6 調査開始とテレ朝叩き
  • 小渕総理は閣議においてダイオキシン問題を「最重要課題」と位置づけ、各省庁の緊密な連携を要請した。また、埼玉県と3省庁(農水省、厚生省、環境庁)は汚染状況の緊急実態調査を開始する。

    −−というのが今日のダイオキシン関連のメイン・ニュースなのだが……厚生省や環境庁はわかるがなんで農水省が? 農水省のトップ中川大臣は、すでに先週「(根拠は無いが)安全だ宣言」をしている。調査して安全ではないという数値が出てきちゃったら大臣の立場がなくなるぞ(笑)。
    まあ、そんな心配はないんだけど。そもそも「安全基準」が無いんだからどんな数値が出てきても誰も「安全ではない」とは言えない。(しかし基準も根拠も無くても「安全宣言」するのはOK。そんなバカな。しかしこれがお役所の論理)

    採取したサンプルは、「民間の調査機関」に分析を委託するんだとか。おいおい。先日、宮下厚生大臣は、「国の権威ある調査機関の数値を」(あるいは「客観的なデータに基づいて」)報道せよ、とテレ朝批判したばかりだぜ。それとも、たとえ「民間の調査機関」であっても、国(省庁)が委託すれば「権威」が付与され「客観的データ」ということになるわけ?

  • 埼玉県が一連の汚染騒動での経済損失額を発表した(約3憶円)。JAのデータ隠しを2年も放置していた埼玉県も、こーいうデータの公表は素早い。これを受けて(?)、中川農水大臣がテレビ朝日の報道について「風説被害であり、賠償責任が生ずるのではないか」と談話発表。続報によると、この件で中川大臣は内閣法制審議室?とかに検討を指示したとか。責任転嫁の必死のダンス、ここぞとばかりに踊る踊る(笑)。

    「風説[風評](の流布)」という概念(用語)は株価がらみの疑惑ではよく使われ事件として立件もされているが、今回のようなケースでコレを持ち出すかねえ。騒動の発端となった「ニュースステーション」の報道は「風説」か? テレ朝叩き的報道をしていた(いる)「一部のTV報道」は、編集(演出)技術を駆使してテレ朝のイメージダウンを狙っているが、言語レベルではあくまで「数値が一人歩きした」という表現での婉曲な批判(非難)に止めているようだが。
    (週刊誌では露骨な「デマ報道」呼ばわりをしているようだが記事内容は未確認。未確認なんだけど、以前からことあるごとに展開されてきた定番ネタ「ニュースステーション」叩きや久米宏叩きの最新版でしかないような気がする。)

  • 郵政省まで出てきたよ。テレビ朝日に、放送内容についての報告を申し入れしたんだと。各省庁は総力で取り組んでいるなあ……テレ朝叩きに。やれやれ。

  • 所沢ダイオキシン問題についての連日のTV報道は、私が見た範囲では「ニュースステーション」がいちばん詳しい。他局でもそれなりに時間を割いていた(いる)が、「騒動の報道」(≒テレ朝叩き)に熱を入れていて、事実関係については意外に情報量が少なかった。例えば、JA所沢市がデータを発表した際のお粗末な説明ぶりも、「ニュースステーション」以外の他局の報道ではごく短く編集されていて、その説明(弁明)のデタラメさはわかりづらくなっている、という具合。
    が、逆に「ニュースステーション」だけ見ていては全然入ってこない情報もある。今日の、中川大臣が風説被害による賠償責任に言及したとか郵政省がテレ朝に報告を求めたという件は、「ニュースステーション」では一切報じていない。


 99年02月13日  所沢ダイオキシン5 「民間の調査機関」(2002-02-23追記)
  • 「ニュースステーション」で調査データの一部を公表した「民間の調査機関」が、ホームページで「所沢の農作物ダイオキシン問題のその後について」というレポート(*) を公表している。リンクを張っておく(レポートにもリンクを張っておくが、これはあくまでURLの参照資料。アクセスは下のトップページからされたし)。

    株式会社 環境総合研究所

    (*) 追記  レポートへのリンクはデッドリンク化しているが、これはファイルが移転したため。記録として残しておく。当該ファイルへは上に書いようにトップページからアクセスされたし(更新履歴のページからアクセスできる)。(2002-02-23追記)


  • レポートに関する感想は省略。

    中身とは全然関係無いことだが……この環境総合研究所は変わったサイト構成をしている。トップページは独自ドメイン(www.eri.co.jp)だが、コンテンツは各担当者がベッコアメに個別に置いているファイルを呼び出す形になっているのだ(上のレポートへのリンク部分を参照されたし)。独自ドメインは取得したが会社名義でのレンタルスペース契約はまだだからなのか、あえてこういう構成にしているのか。……我ながらつまらないコトに興味が行く。(^^;)


  • 02月12日の項に書いた宮下厚生大臣のテレ朝批判談話について、余談を追記した。「ニュースステーション」での発言要約も、より正確な対照のために、放送からの引用部分を少し補足した。

  • 昨日とは別の駅前大手スーパー(サミット)でお買い物。入口を入ってすぐの所にワゴンがあり、埼玉産のホウレン草を置いていた。埼玉産だが所沢ではない。
    買わなかった。だって、高いんだもん。

    去年の秋あたりから野菜は高値が続いている。ダイオキシン騒動で価格が大暴落、農家に大打撃と報道されているが……今日店頭で見た埼玉産のホウレン草は「たったこれっぽっちでこの値段?」だった。卸値が大暴落しても店頭価格は高値のままか。たとえダイオキシン含有量0だとしても買う気にはならん。白菜と違ってホウレン草は冬の食卓に欠かせない野菜ってわけでもないしさ。そういや白菜の値段は最近ようやく下がってきたがまだまだ高い。大根は高値安定状態。あ、イモ類と玉ねぎはそれほど高値でもないか……。
    ちなみに、このスーパーでは野菜・果物の産地は一部の物にしか表示していなかった。


 99年02月12日  所沢ダイオキシン4 踊る大臣たち
  • ここ数日のダイオキシンTV報道では埼玉県や厚生省の見解発表場面も放送されたが、お役人の何人かがJAをJRと言い間違えそうになっていた。いや、だからどうだってことはないんだけど。

  • CX「ナイスデイ」でご意見番(産経新聞編集(?)委員)氏がダイオキシン騒動について、「テレビ朝日がお先っぱしりしたとかいう低レベルな話ではない、肝心なのは産廃問題」とご高説を垂れていた。ごもっとも。ただしこのご意見番氏、昨日の「ナイスデイ」がその「低レベル」な番組作りをしていたことはご存知ないらしい(笑)。ま、TVではありがちなこと。

  • 宮下厚生大臣が閣議後の記者会見で、テレビ朝日の報道について「TV報道は世の中に与える影響の大きさを考え、国の権威ある調査機関の数値を出していただきたい」(*)と批判したんだそうな。なるほど、数日前、一部のTV報道が「テレビ朝日の発表したデータは民間の調査機関によるもの」とアヤをつけるが如くに強調していたのは、やはりお役所筋の意を汲んだものだったんだな。
    それにしてもすごい「批判」だ。ダイオキシン汚染が問題視されるようになって20年以上、JA所沢市が独自調査をしてからでもすでに2年、その間「国の権威ある調査機関」とやらがやるべきことをやってなかったのが今回の騒動の一因なのに。それを棚に上げて「お上が調査し公表を許可したデータ以外、発表するな」ってか。いやはや。

    (*)テレビ朝日の正午前のニュースでの報道。「ニュースステーション」では宮下発言(批判)の要約は微妙に変わり、「TV報道の影響は大きいので、客観的なデータに基づいて適正な報道をしてもらいたい」となっていた。どちらが生の発言に近い要約なのかは不明。(民間の調査機関のデータは、「主観的」なのか?)

    余談。同じ局が同じニュースを流す場合、番組が違ってもニュース原稿は完全な同文であることが多い(ニュース原稿の使いまわし)。なぜ発言の要約が夕方と夜とで微妙に変わったのか、批判対象とされたテレ朝のニュースなだけにちょっと気になる。(02/13追記)

  • 中川農水大臣は、近々非公式な「所沢の野菜を食べる会」を開くんだとか。「(根拠はないが)安全だと確信している」と国会答弁したんだから、こんな腰の引けたこと言ってないで、大臣在任中は毎日毎食所沢産の野菜を食べます、ぐらいの大見得切ってみせればいいのに。

  • 「ニュースステーション」が公表したダイオキシン濃度の最高値はホウレン草のものではなかったんだそうな。JAや埼玉県はこれを「汚染報道」打ち消しの突破口と見定め、テレ朝に逆ネジくわすハラらしい。どうもよーわからん。最高値を示したのがホウレン草以外の葉物、あるいは「野菜以外の農作物」だとして、だからなんだというんだろう? 問題のすり替えだ。ホウレン草作りをしている農家にとっては大問題だろうけど。


  • 駅前の大手スーパーで買い物。すべての野菜・果物に産地表示がされている。埼玉産は無かった。白菜は栃木産と福岡産が置いてあり値段はほぼ同じ。どっちを買うかちょっと迷う。福岡の方が所沢から遠いな、とアホなこと考えている自分に気づいて驚く。


 99年02月09日  所沢ダイオキシン3
  • 9日夕方、ようやくJA所沢市が隠していたデータを公表したが、その説明は支離滅裂。が、夕方のCXとTBSのニュース番組ではそのデタラメぶりを指摘するコメントは一切なかった。

    どうもこの件、話が妙な方向に流れているように思える。「一部のTV報道」には、テレビ朝日を加害者扱いするかのような気配さえある。経済的打撃を被った埼玉の農民がテレ朝に抗議に押しかけるというのはまだわかる。人間、パニックになると非理性的行動をとりがちだから。しかし、「一部のマスコミ」が、「毒入りの野菜を出荷しているように報道されてハラワタが煮えくりかえると怒る農婦」の映像&音声を繰り返し流し、テレ朝の報道したデータが民間の調査機関(*)のものであることを強調して信憑性を疑問視する解説を付け、あたかもテレ朝がデマを流して埼玉農民に被害を与えたかのような報道演出をしているのはナゼ?

    (*)「民間の調査機関」については、02月13日の項参照。(02/13追記)


  • 産廃業者の出す排煙が米軍基地付属の住宅地域を直撃していたため米軍が政府に改善要求を出したら、工場施設改善のために政府は業者に「お見舞い金」名目で十数億円をプレゼントしたんだとか。
    なるほどね。では沖縄の米軍基地の一部を所沢に移転したらどうか。じきに所沢の産廃銀座状態は改善されるんじゃないの。米軍から苦情が出るだろうから。


 99年02月08日  所沢ダイオキシン2
  • ダイオキシン汚染報道について、所沢の農民がテレ朝に抗議に行ったそうな。

    奇妙なこと1
    この報道をCXとTBSの8日夕方のニュースで見たのだが、スクープに関しては「一部の(TV)報道」と社名&番組名を伏せておきながら、農民の抗議行動については「テレビ朝日」と社名を出していた。なんじゃこれは(笑)。同じニュースの中で社名を出す以上、この騒動の「発火点」についてもちゃんと社名&番組名を言えばいいのに。変なの。

    奇妙なこと2
    なんでテレ朝に抗議するわけ? お門違いもはなはだしい。抗議行動を起こすなら、相手は当然、データ隠しを続けているJAや、数年に渡り調査・改善指導を怠っていた埼玉県&厚生省だろうに。

  • 農民がテレ朝に抗議。バカげてはいるが予測可能な事態ではある。このアクションを当事者たる「ニュースステーション」はどう報じるか? 久米宏や菅沼栄一郎はどうコメントするか?……楽しみにしてたのに、頭痛で起きていられず見逃してしまった。無念である。(T_T)

  • 見逃して悔しいので「ニュースステーション」のホームページをチェックしてみた。所沢ダイオキシン関連の記事、ページ、一切無し。以前から速報性や双方向コミュニケーションとは無縁のサイトだったから期待はしていなかったのだが、ちょっと悔しさレベルが上昇したかも。


  • この項を書いてサーバーへ転送したのは9日(火)だが、後日、記憶が混乱しそうなのでタイトルの日付は8日としておく。見逃したのは8日(月)の放送。


 99年02月06日  所沢ダイオキシン
  • 昨日朝、あちこちチャンネルを変えながらTVを眺めていたら、日テレ「ズームイン!!朝!」が、所沢産野菜のダイオキシン汚染問題で埼玉県がアクションを起こしたというニュースを流していて、その中に「一部マスコミの報道により」という表現があった。これはたぶんテレ朝の「ニュースステーション」を指すのだろう。
    マスコミが同業他社を「一部マスコミ」とか「在京の民放」などと呼ぶ(社名を明示しない)のは今に始まったことではないが、妙な慣例だねえ。今回のようなスクープが自治体を動かしたケースで番組名を出さないのは、ライバルの手柄は可能な限り黙殺しようという幼児的行動に思えてしまう。




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