近況雑談の過去ログ40(2002年10月)


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田口ランディ&盗作検証本関連の雑談は、田口ランディ盗作疑惑に纏めた。 
10-31 石井議員刺殺事件に対する木村太郎のコメント
10-29 キム・ヘギョンさんのインタビュー
10-27 盗作検証本(3)〜購入 (ログ移動)
10-25 盗作検証本(2)〜Amazonランキングで (ログ移動)
10-24 中坊公平告発さる
10-21 追記
10-18 田口ランディ日記&小説消滅@筑摩書房 (ログ移動)
10-17 盗作検証本(2) /八木アナ結婚 /場違いな質問 (一部ログ移動)
10-16 田口ランディ盗作検証本、今月25日発売  (ログ移動)
10-15 拉致家族会見 /「拉致して殺す」と小泉演説
10-13 Nステ語録更新
10-09 Nステのノーベル賞受賞者インタビュー
10-05 被害者をパパラッチ(2) /虞犯
10-04 割烹着でポーズ
10-03 訂正(筒井康隆が脱退したのは文芸家協会)
10-01 『カーマ・スートラ』

 2002-10-31  石井議員刺殺事件に対する木村太郎のコメント

 25日に民主党の石井紘基議員が刺殺されたが、この日、木村太郎@スーパーニュースは事件に対し奇怪なコメントをした。箕輪解説委員のコメントの後、安藤優子に促されて木村太郎曰く、

 「僕はテロだと思ったんですよ。まああの、まだわかりませんけど、背景が。でも、これはある種のテロだと思うんですね。テロってのは中東ばっかりだと皆さん思ってるかもしれないんですけど、問答無用ってのはみんなテロなんです。これは日本でも起こるっていう可能性が、あるってことをやっぱり知らないといけないんですね。それはどうして起きちゃうかというと、今テロに対して少し甘過ぎんじゃないかな、と。例えばニューヨークのテロに対する報復を『大国の横暴だ』って言ってみたりですね、『目には目を、ってのはどんなもんか』なんていうことを言ってるうちに、日本でもテロが培養されてっちゃう、そういう気持ちが増えてっちゃうんじゃないか。やっぱりテロっていうのは大きいテロでも小さいテロでも、なんでもテロってのは根の……、芽が出たところを摘み取ってかなきゃいけない。そうしないとこういうことになってしまう。これはやっぱりテロに対する教訓だと思います……教訓がある、と思いますね」

 (「『大国の横暴だ』って言ってみたり」のあたりでは薄ら笑い。)

 政治家刺殺事件を語るのに、なんで「問答無用はみんなテロ」などとことさらピントをぼかすこと言うんだろね、この人は……等の細かいツッコミはさておくとして。

 「テロってのは中東ばっかりだと皆さん思ってるかもしれない」ってなに? 今月12日に連続爆破テロのあったバリ島って中東だっけ? 首都近郊で連続狙撃事件(木村太郎の論法ならこれもテロ)が起こっているアメリカって中東の国? 劇場人質事件で緊迫するモスクワは中東にあるの? (25日の時点ではともに現在進行形だった。)

 木村太郎は、視聴者はバカだと思っているらしい。

 日本は「テロに対して少し甘過ぎ」だからテロが起こる可能性がある? この論法でいくとアメリカやロシアは日本以上にテロに対して甘い国ということになるぞ(笑)。アメリカの報復戦争を批判したり“報復の連鎖”の不毛を訴えると「日本でもテロが培養され」るのかねえ。逆だと思うがねえ。また、ニューヨークの同時テロやアメリカの報復戦争と石井議員刺殺事件とがどう結びつくのか、私にはまったく理解できない。実は犯人はビンラディンから資金援助を受けていたがアメリカのアフガン攻撃で送金が止まり、家賃が払えなくなった犯人は逆上して(なぜか)石井議員を襲った、とか?
 バカな視聴者にもわかるように因果関係を説明してくれ。

 蛇足ながら。その後、刺殺事件は政治的背景のない単なる(理不尽な)私怨による犯行との見方が強まっているが、仮に政治的テロだとしても25日の木村太郎のコメントが妄言であることに変わりはない。素直に要人警護の必要性を訴えるにとどめておけばいいものを、事件にかこつけてアメリカ万歳しようなんて、視聴者なめ過ぎ。

 ・ アパート退去後「自暴自棄に」…議員刺殺の伊藤容疑者 (10/28、読売)
 ・ <石井議員刺殺>「事務所で寝泊まり断られ」伊藤容疑者供述 (10/29、毎日)


*  *  *

 17日の項の余談に補足。
 29日の項でリンクした産経の26日の記事(【キム・ヘギョンさん一問一答】)は文末に「(共同)」とある。17日の記事(【拉致帰国者 佐渡会見詳報】)には無い(しかし中身は共同の配信記事と同文)。やはり「会見詳報」はマスコミ各社共用の資料をもとにしたものなんだな。



 2002-10-29  キム・ヘギョンさんのインタビュー

 先週金曜(25日)のNステでキム・ヘギョンさんの肉声インタビューと、子供に対して厳し過ぎる質問が多かった云々という横田滋氏(祖父)の感想(の断片)が放送された。ピョンヤンで取材に当たった朝日新聞の記者に対し久米宏が、私も横田さんと同じように感じたと言うと、記者は「厳しい質問なのは承知の上で我々も報道機関の者として聞かざるをえなかったのだ」云々の長い弁明をした。キャスターと記者のこのやりとりが私にはピンとこなかった。

 この日の夜、Nステの放送前にCXでは緊急特番でこの同じインタビューを映像付きで放送していたんだねえ。それでNステでは「肉声」インタビューなんて妙なコピーを付けていたのか。見逃して残念。そのCXの特番には非難が殺到して先週末は大騒ぎになり、今週月曜のスーパーニュースで安藤優子は釈明原稿を読み上げる役をやらされていた(件の特番に安藤優子も出演していた関係らしい)。

 子供に対して酷な質疑だった、プロパガンダを子供に語らせる北朝鮮のやり方は許せない、無批判にそういう放送を流したCXには問題がある、等々、批判・非難の中身は様々だが、相手(北朝鮮)の言い分をそのまま無批判に放送するのはダメだという非難には疑問を感じる。この手の主張は95年のオウム事件の時にもしきりに唱えられていた。オウムの幹部を生出演させて好き放題喋らせているのはけしからん、云々。

 CXで放送されたヘギョンさんの「語り」というのは、視聴者を一発で虜にしてしまうような強烈な洗脳電波を放っていたのかねえ? オウムであれ北朝鮮であれ、相手の言い分をそのまま流したら視聴者は洗脳され取り込まれてしまうだなんて、ずいぶん視聴者(国民)をナメている。論戦になると大声で発言妨害して相手を黙らせようとする、まともな討論のできない没論理で低脳な政治家レベルの発想じゃないか。

 「祖父母のほうがこちら(北朝鮮)に来て」というヘギョンさんの呼びかけは、識者の指摘するように一時帰国した5人に向けた北朝鮮のメッセージという意味があるのかもしれないし、横田夫妻を感情面で揺さぶる作戦でもあるのかもしれない。そういう日本側には不都合な面を含むとしても、生の声を放送することを責めるのはおかしい。誰かが加工・演出・編集したものより、可能な限り生の素材(映像、声)を提供して、判断は視聴者(国民)に委ねるのが民主主義社会の本道ではないのか。

 日本人のメディア・リテラシー向上のためにも、ぜひCXには再放送してもらいたいものである。……すごく見たい(笑)。


 ・ キム・ヘギョンさん、涙と笑顔の1時間会見を採録 (10/25、朝日)
 ・ 【キム・ヘギョンさん一問一答】 (10/26、産経)
 ・ キム・ヘギョンさん会見:フジテレビが釈明コメント (10/26、毎日)
 ・ <フジテレビ>“涙のメッセージ”の視聴率は26.3% (10/28、毎日)

 (この項、30日アップロード)



 2002-10-27  盗作検証本(3)〜購入

 この項は田口ランディ盗作疑惑に纏めた。



 2002-10-25  盗作検証本(2)〜Amazonランキングで (10-26追記)

 この項は田口ランディ盗作疑惑に纏めた。



 2002-10-24  中坊公平告発さる (午後追記)

 朝日住建関連会社の元社長が、住管機構(現・整理回収機構)の元社長・中坊公平弁護士らを詐欺容疑で告発した。昨年2月以来続報が目につかなかったが、水面下で何が起こっていたのやら。(→ 時事通信の記事

 関連記事へのリンクは01年2月7日の雑談(中坊氏顧問辞任の件)に追記として挿入しておく。


(10-24午後 追記)

 安田弁護士逮捕事件については折々にメモ書きしたままで纏めてない。これ以上とっちらかるのも嫌なので過去ログに追記する形にしたのだが、自分用の備忘として関連サイト&ページに再度リンクしておく。

 (1)中坊RCC社長 辞任事件の真相宮崎学
 (2)安田弁護士を支援する社長日記
 (3)安田好弘弁護士不当逮捕の構図 (生田弁護士) (← 社長日記 02.02.1999

 中坊公平弁護士が整理回収機構(RCC)の顧問を辞任した件については(1)、安田弁護士逮捕事件については(2)、この逮捕事件と中坊氏の関係については(3)が参考になる。

 「社長日記」をいきなり読んでも安田弁護士逮捕事件と中坊氏(当時は住管機構社長)の関係が掴みにくいかも。ということで、過去ログ(01 2/7)にも安田好弘弁護士不当逮捕の構図へのリンクを追加挿入しておく。



 2002-10-21  追記

 17日の項(佐渡の記者会見での場違いな質問)に追記とリンクを入れた。

 新聞社サイトの「会見詳報」は18日には読んでいたのだが、録画を見直して会見でのやりとりを確認するのが億劫で、追記を入れるのが遅くなっちったい。



 2002-10-18  田口ランディ日記&小説消滅@筑摩書房 (10-21追記)

 この項は田口ランディ盗作疑惑に纏めた。



 2002-10-17  盗作検証本(2) /八木アナ結婚 /場違いな質問 (10-21追記)

 盗作検証本については田口ランディ盗作疑惑に纏めた。


*  *  *

 昨日はメモをアップロードしてから外出。街ですれ違うオジサン連中の表情は一様に暗く、足取りも重い。薄暮の空を見上げて呆然と立ち尽くすオヤジも多数目撃。やはり一昨日のニュースの衝撃は大きかった。本来、喜ぶべき目出度いニュースなのだが。
 頭が重い。帰宅後、Nステ見てとっとと寝る。

 ・ <結婚>フリーアナウンサーの八木亜希子さん 大学の同級生と (10/15、毎日)_


*  *  *

 朝起きるとまだ頭痛がおさまっていない。肩がゴリゴリに凝っている。頭痛薬飲んで二度寝。午後3時過ぎに起床。TVをつけると、一時帰国した拉致被害者の帰郷ネタ一色(NHK&日テレ、TBS、CX、テレ朝)。いろいろ思うことはあるが、マスコミ関係ネタをひとつメモしておくにとどめる。

 佐渡の曽我ひとみ氏の会見ではご本人が挨拶を読み上げて退席した後、妹さんが記者の質問に答えた。その最後の場面。

司会はい、それでは恐れ入りますが最後に、(記者挙手)……はい、どうぞ
はー(大きな溜息)

記者

恐れ入ります、ひとつちょっとお聞きします。今朝発表になったことなんですが、北朝鮮が核開発の疑惑を認めたというニュースが流れてまして、このニュースはおそらく今後の日朝交渉に大きな影響を及ぼすと思われるんですが、ご家族の立場からこの問題についていかがお考えか、ひとつ

ちょっと、そういう難しいことは急に質問されても(苦笑)。あのー、ちょっとわからないもんで、……はい

 ↑ どんな回答を期待(予想)してこんな場違いな質問したんだ、この記者?


追記 (10-21)
 妹さんが「ちょっとわからない」と答えたところで司会者が「じゃあこれで最後の質問にさせていただきます」と質疑終了を宣言し、CXの放送は会見中継からスタジオに切り替わった。それで上では「最後の場面」と書いたのだが、新聞社サイトに掲載された「会見詳報」によると、この後さらに2つのQ&Aがあったらしい。

 ・ 新潟県・佐渡での記者会見の詳報 (10/18(?)、共同通信:日朝交渉・拉致事件
 ・ 【拉致帰国者 佐渡会見詳報】 (10/17、産経)

 余談。共同通信と産経の「詳報」は表記に若干の相違はあるが文章は同文。産経の記事が共同の配信でないとすると、この2つの「詳報」は同じ資料を元に作成したものなんだろう。
(要約された記者の質問まですべて同文というのは、偶然の一致とは思えない。)



 2002-10-16  田口ランディ盗作検証本、今月25日発売

 この項は田口ランディ盗作疑惑に纏めた。



 2002-10-15  拉致家族会見 /「拉致して殺す」と小泉演説

 拉致被害者5人が一時帰国。夕方5時半過ぎからTVをザッピング。

 テレ朝は八尾恵氏の証言V(北朝鮮の「招待所」の実態など)を流し、6時からは小宮悦子が生電話インタビュー。八尾氏の映像はある時期から顔を隠すようになっている。この日の証言Vでも口から上は映していなかったのだが、生電話インタビュー中に顔がはっきり映った写真をスーパーで表示。処理がチグハグである。


 6時半から始まった拉致被害者&家族の記者会見では壇上に拉致議連の政治家がずらずら並んでいた。すでに見慣れた光景だが、不快。自己顕示は政治家の本性とはいえ、今日の会見で壇上に上がるというのは常人の神経ではない。

 会見では主催団体関係者による冒頭挨拶・司会進行から拉致被害者家族会代表の横田滋氏にいったん司会が引き継がれた。先日、久米宏も体調を崩されているのではないかと気遣っていたが、時折咳き込む横田氏の話しぶりが痛々しい。あのバトンタッチは本人(あるいは家族会)の意向に沿うものだったんだろうか。

 6時56分、蓮池透氏が話している最中に中継終了となったのには驚いた(CX)。蓮池氏は北朝鮮に対しても日本政府・外務省に対しても辛辣な物言いが目立つが、発言内容は情報量が多い。それを途中で切るとは。ザッピングしてみると民放はどこも中継が切れている。番組表を見るとCXは2時台、TBSは3時台から特番を組んでいたようだが、肝心の会見をまともに中継できないとは情けない編成である。


*  *  *

 ・ 「拉致して殺してしまう」 小泉首相が北朝鮮を批判 (10/15午前、朝日)
 ・ 小泉首相:「拉致して、殺してしまう」と発言 後で釈明 (10/15午後、毎日)
 ・ 言葉尻とらえるな=小泉首相、報道に不快感 (10/15午後、時事通信)

 「北朝鮮はけしからん国。日本人を拉致して、殺してしまう」と威勢よく演説をぶった小泉総理、記者に突っ込まれて(殺したというのは)「そう言っている人がいる」、第三者の言葉の引用だと“軌道修正”し、さらにマスコミ批判で矛先かわし。
 失言大連発の森前総理と同じ行動パターンだな。そういや小泉サンって森派だっけ。



 2002-10-13  Nステ語録更新

 Nステ語録に今年1〜4月分と7月分を追加した。

 収録済みの語録は大幅に間隔が開いているが、昨年8〜12月分や今年5〜6月分を採録する予定は無し。

 文字で言葉を採録しても「ライブ」の面白さは再現できないのだが、まあ、こういうのも一つの記録ということで。(7月分には図を1つ入れた。)



 2002-10-09  Nステのノーベル賞受賞者インタビュー

 先月24日のNステの特集「“北朝鮮工作船”真の目的は?」は映像演出がずいぶん凝っていたが、昨夜の特集「ジョン・オニール ビン・ラディンを最もよく知る男」は映像面での遊びがさらに高じていてCXや日テレのバラエティのノリに近くなっていた。Nステに新しい血が入ったのかしらん。


*  *  *

 昨日の小柴昌俊氏のノーベル物理学賞受賞に続き、今日は田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞。今夜のNステはトップでこれを伝え、CM明けに記者会見場にいる田中氏に生インタビューが行なわれたのだが、これが凄かった。主役をNステに一人占めされて苛立った他社の記者から「何様のつもりやー!」「ちょっとって何分やねん!」など関西弁の怒号、罵声が飛び、後半はTVカメラの前に立つ男(Nステのスタッフ?)の後頭部しか映らないという悲惨な状況に。

 最後は質問に答えている最中の田中氏に横から指示が出され、「すみません、これでインタビューを切られるということで……すみません」と田中氏が恐縮しつつお断りをして終了。この状況、インタビューイが謝る必要なんて全然ないのに。田中氏は栄えある受賞者なのに。会場の記者連中、インタビューの生放送中に罵声をあげるなど、田中氏に対して大変無礼な行為だということが、わかんないのかねえ。まったく「何様のつもり」なんだか。

 スタジオにカメラが戻ると久米宏は大笑い。「生放送の醍醐味っていうんでしょうかね(笑)」。ノーベル化学賞受賞者へのインタビューとしては大失敗だが、TV的には面白い生中継だったというべきか。
 田中氏に対するお詫びは渡辺真理嬢がフォロー。フォローといえば、殺気立つ会場とNステ(久米宏)の両方に気を使う田中氏の様子が印象的だった。


*  *  *

 今夜のNステのスポーツコーナー、「昭和〜平成 ホームラン王列伝」のVのBGMは「エリナー・リグビー」。王者列伝で孤独な人々の歌とは。選曲意図不明。流れたのはオリジナルではなくKansasがカバーしたもの。Kansasの公式サイトで試聴できる(MP3、約1分、Discographyのページ)。



 2002-10-05  被害者をパパラッチ(2) /虞犯

 ・ <拉致事件>新聞協会、雑誌・民放に協力要請 過熱取材回避で (9/28、毎日)
 ・ <拉致事件>メディアの過熱取材避けるため、各地で申し合わせ (10/4、毎日)

 ↑被害者をパパラッチの続報。先月の記事にも再度リンクしておく。
 「集団的過熱取材(メディアスクラム)」という言葉が指す範囲については正確なところは知らないのだが、例えば、取材対象者の自宅・関係先周辺にマスコミ陣が群がって迷惑をかける行為は文字どおりの「集団的過熱取材」であろうが、この記事で挙げられている振る舞い、「断りもなく家に上がり込み、写真を撮った記者がいる」「午前2時ごろまでの電話は非常識」などは“集団的”とも“過熱”ともあまり関係のない、マスコミ人の非常識の発露でしかないように思える。

 日本雑誌協会に対する山梨編集者会の協力要請の中身が凄い。「勝手に自宅に侵入する取材はしないようにしましょう」。……幼児相手の躾じゃあるまいし。


 ・ <愛知学園殺人>少年4人が施設職員の首絞め逃走 (10/4、毎日)

 ↑昨夜のNステのトップニュース。園長の記者会見映像が流れたが、「(子供たちは昼間はおとなしいが)虞犯少年といいますか……夜になるとそういう本質が垣間見えまして……」という言葉が印象的だった。虞犯少年か。「教護院」をさらにソフトな「児童自立支援施設」に名称変更しても、そのなかで使われている言葉は旧態依然なのだな。


 3日の項に引用の出典ページを追記。(期せずして虞犯つながり)



 2002-10-04  割烹着でポーズ

 本日更新された「渡辺真理の200字」は真中瞳との不仲説をサカナにした、庶民的なんだか超俗的なんだかよくわからんエッセイ(笑)。その真中瞳も今夜でNステ卒業である。クラッカーが弾けて2年半を振り返る回顧Vが流れ、真理嬢から花束贈呈&涙の抱擁。

 今夜の放送ではもう一つ印象的な場面があった。唐突に復活した企画モノ「絶滅危惧商品」の特集Vの前説を真理嬢が語り終わった後、今回のテーマである割烹着を着た河野明子アナがフレームインしてモデルばりにポーズを決めたのである。体育会系アナが割烹着でポーズ。強烈でありました。(照れ笑いせずきっちり数秒間ポーズを保持したのは立派。)

 あんまり強烈だったので、久しぶりに落書き。


割烹着


 2002-10-03  訂正(筒井康隆が脱退したのは文芸家協会) (10-05追記)

 田口ランディ盗作疑惑4月9日の項の最後の部分で「かつて筒井康隆は、永山則夫死刑囚の加盟申請を拒絶したことに抗議し、日本ペンクラブを脱退した」と書いていたのだが、これは大間違い。問題の団体はペンクラブではなく日本文芸家協会であった。記述を訂正した。ああ恥ずかしい。

 この件では一つ気がかりが残っている。協会脱退当時のエッセイを収録した『笑犬樓よりの眺望』(新潮文庫)を読み返してみたのだが「作家の道徳と市民道徳とは別次元にある」に類するフレーズが見当たらないのだよね。これ、どこかで読んだ記憶があるのだが、もしかしたら私の記憶違いなのかも。

 『笑犬樓よりの眺望』収録のエッセイで筒井康隆は、「殺人者を入会させるというなら自分は脱会すると言っている人がたくさんいる」という協会委員の発言に対し、「まかりまちがえば自分だっていつ人殺しをするかわからないという想像力すらない人間が小説など書くべきではない。おれなど文芸家協会は虞犯者の集団と認識しておる」(*)と批判している。また、協会の体面を汚した者は除名という規定があることを知って、「おれなど甘い考えで、著作権だけでなく、作家が多少の犯罪者的行為に走っても、協会がある程度は護ってくれるのだとばかり思っていた」(*)とも書いている。

 私の記憶違い、あるいは誤読の可能性もあるが、筒井康隆の姿勢・発言から大きく逸れるものとも思えないので、とりあえず「作家の道徳」云々の記述はそのままとしておく。


 (*) 「文芸家協会は虞犯(ぐはん)者の集団」p.289-290、『笑犬樓よりの眺望』(新潮文庫)収録。
 なお、本書には「文芸家協会を脱退した」も収録されている。


追記 (10-05)
 引用の補注(出典のページ)を追記。


 2002-10-01  『カーマ・スートラ』

 『バートン版 カーマ・スートラ』(大場正史訳、角川文庫)を斜め読みしていてLageに「態位」という訳語を当てているのに気づいた。初版は昭和46年。高橋鐵がこの“新造語”を使い始めたのは昭和20年代らしいが、昭和46(1971)年当時は一時的にせよこの訳語が定着していたんだろうか? 現在、WEB上では「体位」の圧勝で、「態位」はジリ貧状態なのだが。(参照→ 7月25日の雑談

 『あるす・あまとりあ』(高橋鐵、河出文庫)のまえがきを読み直してみた。「体位」は誤訳という指摘に続き、以下の記述あり。

 「そこで、私は『態位』という訳語に決めたのである。
 それ以来、謝博士はじめ、前述の押鐘、松井氏、さらには小倉清太郎氏などの諸医博や、名翻訳家として知られる中田耕治氏や大場正史氏らも『態位』が正しいとされてきた」(p.5)

 なるほど、『カーマ・スートラ』の訳者・大場正史は高橋鐵の新造語の賛同者だったわけか。大場氏は上の引用では「名翻訳家」となっているが、まえがきの前の方では「東洋性風俗史研究の大場正史」として名前を挙げられている。(引用中の謝博士とは謝国権のこと。)


 『カーマ・スートラ』は広く性愛全般を扱う「愛の経典」であり、態位に関する解説の質・量は態位専門書である『あるす・あまとりあ』とは比較にならないが、性知識が普及していない時代には貴重なものだったんだろうなあ。ちなみに態位の章は態位の種類から複合交(3P、nP)、さらにA交にまで解説が及んでいて、このあたり、勢い余って書いてしまった感もあって可笑しい。解説といっても、

 「多数の女と同時に交わるのを<牝牛群交>という。
 水中交または象群交(中略)、山羊群交、鹿群交などを行なう場合は、それぞれの動物をまねるわけである」(p.84)

 という調子で、あまり実践の参考になるものではないのだが。まねるったって、象のハーレムなんてどこ行きゃ見られるんだ。(そういう問題ではない)


 斜め読み備忘。
 第三部の「妻の獲得について」の中に、「つぎのような女との結婚は避けたほうがよい」として17項目が列挙されている。「頭の禿げた女」など肉体的欠点の指摘が多いのだが、16番目に「自分の妹」が挙げられているのはどう解釈すべきなのか。一千数百年前のインドでは、姉との結婚は避けるべきことではなかったのかしらん?


*  *  *

 台風21号が川崎市付近に上陸、風雨強し。



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