ISP関連の雑談
(2)ADSL移行編


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このページは新しい項を下に追加する形になっている

2002-03-17:ページ作成
2002-03-21:「開通&速度測定、不正アクセス」を追加
2002-08-15:ADSLモデムIGM-U8000ACについて追記
2003-06-04:IGM-U8000ACについての追記(2002-08-15)に追記


 2002-03-17  事前準備

前回までのあらすじ

 いろいろ不満はあるが格安料金だし乗り換えは面倒だ、とずるずる契約を更新していたISP(インターネット接続プロバイダ)から2月末日、突然「2週間後にテレホが使えなくなる」との通告メールが届いた。さすがに愛想がつきた。年間料金一括先払いで契約期間はまだ半年以上残っているが、ISPを乗り換えることにした。(参照→ ISP雑談(1)


3月上旬某日 ADSLへ

 今まで使っていたISPは“格安”だけが売りのところだったが、この数年で業界全体の低価格化が進んでいてほぼ同額のISPもけっこうある。同じ轍(安かろう悪かろう)は踏みたくないのでWEBで“ISPの評判”を重点的にチェック。あれこれ情報収集するうち、ダイヤルアップと同額あるいはもっと安い料金でADSLに移行できることに気づく。プロバイダ料金が同じだとしてもテレホとADSLでは月1,000円は違うのだが。しかし常時接続の魅力はでかい。ADSLなら友人から「おめぇんとこは夜中全然電話が繋がらんぞ」と苦情を言われることもなくなる。思いきってADSLに移ることに決め、低価格かつ評判の良い某ISPにNTTへの取次ぎを依頼。

 ISPの評価ページ&掲示板をあちこち見て回ったが、見切りをつけた我がISPのADSLは「ISDNより遅いADSL」と貶されていた(笑)。さもありなん。


1週間後の某日 NTTから連絡

 予約から1日遅れてNTTから連絡が入る。「おたくの場合、工事をしても接続できない可能性がある」とのこと。なんじゃそりゃ。昨年暮れ、「ADSLにしませんか?」と勧誘電話をかけてきた時には「おたくは大丈夫です」と断言してたのに。勧誘する時は大丈夫と言っておきながら申し込んだら接続は保証しませんとは、人を食った話だ。しかも「接続できなくても工事費は返却しません」。あいかわらずNTTは殿様商売だな。
 「じゃあADSLなんて要らない」と断わるわけにもいかない。釈然としないが工事予約をする。モデムが品薄になっているとかで、NTTからモデムをレンタル(あるいは買い取り)する場合、工事は4月上旬になるとのこと。すでにテレホは解約しているし、3週間以上待つのはいや。モデムはこちらで用意することにして今月中に工事してくれるよう依頼。

 工事費に関する話が手元のパンフと食い違っていた。モデムをユーザーが用意&設置する場合は工事はNTT局舎内だけで、工事費は2,800円のはずだが? あらためてNTT(116)に問い合わせるとやはり2,800円とのこと。工事担当部署が基本工事費を間違えててどうする。ついでに「工事をしても接続できない可能性」について事情を聞く。歯切れが悪い。具体的になにか懸念材料があるわけではなく、工事の連絡の際にはとりあえず「接続は保証できない」と予防線を張るのがNTTの“お決まりの前口上”になっている気配。原理的に接続速度を保証できないというのはわかるが、接続の可否さえ保証できないものなら、派手に宣伝(TV、雑誌、勧誘電話)なんかすべきじゃないと思うぞ。

 料金の話をするうち、「おたくはマイラインプラスの登録をされてませんね」と教えられる。昨年は電話会社各社がマイライン登録の大宣伝合戦をしていたが、うちはテレホを使っている関係で無視していた。登録手続きをしなければ自動的にNTTに登録したことになるのだと思い込んでいた。マイラインとマイラインプラスは別物なんだそーな。フレッツADSLはマイラインプラスとセットにしないと月290(310)円余分にかかる。登録申請用紙を送ってくれるよう頼む。(プラスの登録料は800円。3カ月で元がとれる。)

 工事日が決まったのでISPに入会申請書を送る。


3月某日 情報収集〜フレッツは高い

 コンビニで「日経ネットナビ」4月号を買う。フレッツ、アッカ、イー・アクセス、J-DSL、Yahoo!BB、……ADSLっていろいろあるんだなあ。「ADSL=フレッツADSL=NTT」だと独り合点していた。料金を見比べるとフレッツはかなり割高。ISPへの入会申請はもうちょっと調べてからにすべきであったか。
 昨年、Yahoo!BBに申込者が殺到した理由も今頃になってわかった。Yahoo!BBの参入で一気に低価格化が進んだらしいが、現時点でもまだ他社と比べ大幅に安い。安くても問題ありすぎだけど(開通の遅れ、サポートの不備、セキュリティ問題(*)、等々)。

 (*) パケット漏れについて「日経ネットナビ」4月号に記事あり(p.16)。
 WEBの記事→Yahoo! BBのパケット漏洩問題,障害原因と対策は藪の中(2/5、日経バイト

 ブロードバンドには興味がなく、関連記事や広告は今まで無視していた。「ADSL=フレッツADSL」と思い込んでいたほどに知識がない。WEBや雑誌の記事でにわか勉強。ADSLは環境によって通信速度に大きなばらつきがあるというのは知っていたが、CPUやOSによっても大きな差が出るらしい。「日経ネットナビ」の記事(p.222)によると、Pentium III 1GHz(WinXP)で1.2Mbps出る回線でも、Pentium II 266MHz(WinMe)では620kbpsしか出ないんだとか。ってことは、仮に回線状態が理想的でもうちのノートPC(Pentium II 233MHz)では600kbps弱程度しか期待できないわけか。まあ600kbpsでもアナログ・ダイヤルアップの十数倍、それだけ出れば不満はない。速度より繋がるかどうかが問題だ。


3月某日 モデム購入……不発

 ADSLモデムを買いに某ショップへ。事前に電話で在庫を確認してから出向いたのだが棚に置いてない。フロアにいた店員に聞くと「当店ではルータータイプしか扱っておりません」とのこと。先刻の電話と話が違うやんけ。「日経ネットナビ」の記事によると「新規にADSLを導入するならモデム内蔵のルータータイプがお勧め」ということらしいが、うちはルーターなんて要らない。モデム単体の安いのでいい。撤収。


3月中旬某日 モデム購入(メルコ:IGM-U8000AC)

 入会申請したISPから登録完了通知書が届く。WEBで掲示されている手続所要日数より4日も早い。申請した第1希望IDが通っていてちょっと気分がいい。

 得意先からの帰路、アキバに寄ってショップを見て回る。ADSLモデムは売価12,800円前後のメルコのIGM-U8000AC(USB接続タイプ)が最廉価モデルのようだ。なぜか同価格帯の製品が無くモデム単体でも他は18,000円前後のものしか見当たらない。

 某ショップにて購入……する前に、念のため店員に「なぜメルコのものだけ飛び抜けて安いのか」を聞いてみた。「この製品はアッカにしか使えないからです」と明快な答え。確かに箱には「対応ADSL会社 アッカ・ネットワークス」としか書いてない。フレッツでは使えないのか。店員の話によるとUSBタイプでフレッツで使えるモデムはどのメーカーも作ってないとのこと。う〜む、となるとモデムとは別にLAN用のPCカードも要るなあ。モデム単体で18,000円もするならさらに約4,000円上乗せしてモデム内蔵ルーターにした方が賢い買物かも、と売り場で悩む。

 モデム内蔵ルーターにはスプリッタもケーブル類も同梱されていない。あれこれ合わせるとけっこう高い買物になっちまうな、とやけくそ気味の“お買い物ハイ”に浸りながら売り場を徘徊するうち、購入を断念したIGM-U8000ACの隣にあるオムロンのADSLモデム(USB)の箱に「フレッツ対応」と書いてあるのに気づいた。……おい、あるじゃねえか、USBのフレッツ対応モデム(笑)。どうもさっきの店員の話は信用ならん。頭をリセットして再考。箱にはアッカ対応としか書いてないがもしかしてメルコのU8000ACもフレッツ対応済みなんじゃないかと思いつき、他の店員に声をかけてU8000ACが現時点でどの回線業者に対応しているか(フレッツで使えるか)確認を頼む。……メルコのサイトには1.5MbpsならフレッツでもOKと掲示してあるとのこと(*)。IGM-U8000ACを購入。

 聞いてみてよかった。U8000ACはスプリッタやケーブル類が同梱されている。久しぶりにアキバのショップ巡りをして“お買い物ハイ”状態になっちゃって、モデム内蔵ルーター(LAN接続)を買う一歩手前まで行ったが、この選択をしていたらLAN用PCカードやスプリッタ、ケーブル類もろもろ合わせて15,000円ほど余分に金を使うところであった。将来性を考えるなら余分に出費してでもLAN接続のルータータイプを選択するのが賢明な買物なんだろうが。いいや、とりあえず今、貧乏だし。金欠なのに焦って割高のフレッツにしちゃったし。それにそもそも、工事が完了しても接続できるかどうかさえまだ不明である。この選択が正解であったと思うことにしよう。

 回線を繋ぎ変え、モデムのドライバをインストール。無事完了。再起動するとモデムのアクセスランプが点滅して「リンクしてないよ」と訴える。よしよし、もうちょっと待とうな。


【注意!】

(2002-08-15 追記)
 IGM-U8000ACは一部のフレッツADSLで接続不能・動作不安定になるとの情報が4月頃(?)ADSLモデム動作検証一覧に掲示された。この問題はファームウェアのバージョンアップで対応すると告知されていたが、現時点でまだ解決していない。上記ページでは「一時的に対象外とさせて頂きます」となっている。

 うちではなんの支障もなく接続できているが、これから購入される方は充分検討されたし。


(2003-06-04 追記)
 結局「ファームウェアのバージョンアップによる対応」は実現しなかった。メルコは今年2月(?)、「弊社製品仕様ならびにNTT局社側機器仕様の相性により、対応が困難であることが明らかとなりました」とギブアップ。Q&Aにも同内容の記事あり(03/03/18付)。


3月中旬某日 開通を待ちながら

 15日からテレホは使えなくなるし、東京地区のアクセス・ポイント(AP)は1箇所のみになってしまうということで見切りをつけたISPだが、予想に反して15日以後も従来どおり接続できている。認証でコケて回線切られたり、認証完了までに30秒近くかかったり、数十秒通信が途絶したり等々すべて従来どおり(笑)。極端に悪化していないのは平成電電専用APにアクセスが集中しているのか、ユーザーが一斉によそに逃げたのか、AP一挙縮小以前からダイヤルアップ・ユーザーが激減していたのか?

 新たに契約したISPはダイヤルアップ接続すると別料金が発生してしまうので、これはこれでありがたい。ありがたいんだけど、同時に、ちょっと不愉快でもある(笑)。無事ADSLが開通してすっぱり縁が切れればいいんだが。


3月中旬某日 回線情報

 見切りをつけたISPの新AP、認証失敗の率が上がった。テレホなら実害はないが今は切断されるたびに電話代を損しているわけで、とっても不愉快。


 ・ NTT地域会社,ADSLユーザに向けてメタル回線の情報をようやく提供 (3/14、日経バイト)

 NTT東日本も電話回線の線路情報の開示を始めたのでウチの状況を調べてみた。
 ○線路距離長(エンドユーザ〜NTT収容ビル) 約2600m
 ○伝送損失 約40dB

 損失が約40dBかぁ。あんまり条件良くないなあ。しかしこの程度なら接続速度はさておき、接続さえできないという可能性は低いな。たぶん。……繋がってくれ。

 Yahoo!BBのY!BB ADSL速度推定システムも試してみた。こちらは電話番号ではなく所番地を入力して推定値を出すのだが、ずいぶん楽観的な数値(笑)が出力される。ま、これは見なかったことにしよう。比較のために近隣の番地も試してみた。同一町内でも番地によって2〜3倍もの開きがある。ADSLってほんとにナイーブなものなんだな。



 2002-03-21  開通

3月下旬某日 開通&速度測定

 午前9時半、NTTから「1時間後ぐらいに工事します」との連絡が入る。予定どおりだが、嬉しい。嬉しいけど不安。なんだかコーフンしちゃって何も手につかない。

 1時間以上経過してもモデムのアクセス(リンク)ランプは点滅したまま。ダメなのか? ウチはADSLはダメなのか? 今、自力でできる対策はモジュラーケーブルの短縮ぐらいしかない。ケーブル最短の接続を試すべくモジュラージャックのある玄関にノートPCを持って行こうとして、スプリッタの接続を間違えているのに気づいた。(モジュラージャックからの線はLINE、電話機への線はPHONEとすべきところを、逆に繋いでいた。)(- -;)

 繋ぎ直して数十秒後にアクセスランプが点灯。リンク状態を確認するとデータ転送速度の受信が1536kbps。実効速度がどの程度出るか、接続速度テストを試してみた。

測定サイト測定結果(推定値あるいは実効速度)
SPEED TEST 805kbps(101kB/sec)〜1.30Mbps(163kB/sec)
Radish Network Speed Testing 1.28Mbps(160KB/sec)
BNR 回線速度計測ページ 1.068Mbps(133.53kB/sec)
speed.rbbtoday.com 通信速度測定 743kbps〜1.3Mbps (Download)
SpeedEye 実効速度測定掲示板 483Kbps(ASAHI-Net)〜639Kbps(IIJ4U)
ブロードバンドスピードテスト 測定不能

 うちの環境は「線路長約2600m、伝送損失約40dB、Pentium II 233MHz、Windows98」(モジュラージャック⇔スプリッタ間は5m、モデムはUSB接続、接続ツールはモデムのドライバを入れた時に自動的にインストされたIGM-Connect)。

 ブロードバンドスピードテストがポピュラーなようだが、うちではプラグインの関係で測定不能。

 環境から考えて、フレッツADSL1.5Mでこの速度なら万々歳であろー。実効速度は低めだが「日経ネットナビ」4月号の記事(p.222)から類推するとPentium II 233MHzとしてはこれで満額回答に近いようだし。

 開通前は「速度より繋がるかどうかが問題だ」なんて書いていたのに、接続を確認できたとたん、速攻で測定サイトを巡って速度チェックしてしまうあたりに人間の業が出ている。欲望は底無し。今は「この速度なら万々歳」とか書いているが、じきにレジストリいぢって速度アップに挑戦、なんて始めちゃったりするのであろーか。


3月下旬某日 不正アクセス

 ファイアウォールのログを見ると、多い時には30分に20回近い不正アクセスがある。ダイヤルアップ接続の時もテレホで長時間繋いでいたがこんなのは経験していない。プロバイダによってアタックの頻度がこれほど違うとは驚き。

 WEBを巡回していると表示が遅いところはあいかわらず遅い。速いところだとローカルのキャッシュ読み込みと区別がつかないほど速いのだが。常時接続になったものの、定期巡回サイトを見終わると、やることがない(笑)。

 このページは「ISP関連の雑談」だが、新たに契約したISPは接続に関しては無問題。メールもホームページ・スペースもまだ利用していないので書くことがない。




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