近況雑談の過去ログ13(2000-07)


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 2000-07-31  林健治被告の論告求刑公判

 27日、和歌山毒カレー・保険金事件の林健治被告の論告求刑で検察は懲役8年を求刑した。虚偽の診断書を書いた医師の責任は追及されずじまい(不起訴)。これについてニュースステーションの久米宏は、「あの事件の影響で殺人や殺人を企図する類似の事件が頻発した。証言した(口裏合わせをした)知人や(偽の診断書を書いた)医師の責任が不問に付されるというのは、(司法取引で仕方ないのかもしれないが)かなりよくない」(要約)とコメントした。
 なんか変。社会への影響をこの公判に絡めて語るのはおかしい。

 第一に、通りがいいので上では「和歌山毒カレー・保険金事件の」と書いたが、林健治被告が問われているのはあくまで詐欺罪(バイク事故、真須美被告の火傷、高度障害の虚偽認定、の3件の保険金詐取)であって、保険金殺人や毒カレー事件とこの公判は、直接には関係はない。この公判に絡めて模倣犯罪を招いた責任を云々するのはおかしい。
 第二に、和歌山の事件後に頻発した模倣犯罪は単純な毒物混入である。医師が虚偽の診断書を書いたからこそ成立した保険金犯罪、などというものではない。模倣事件の頻発と医師の責任(および、医師が不起訴になっていること)とは、なんの関係もない。

 保険金目当ての連続殺人容疑や毒カレー事件と、それらとはあくまで別件である林健治被告の公判を、ニュースキャスターがごっちゃにしているようでは「かなりよくない」。



 2000-07-28  科学忍法コンコルド

 TVニュースで、偶然撮影されていたコンコルド墜落直前の映像が流れた。
「ガッチャマン」の主題歌を連想した不謹慎な輩は、私だけではない、と思う。(--;)


 下の項のタイトルの日付を訂正した。(07-25 → 07-26)



 2000-07-26  コンコルド /美少女ゲームの音楽 (07-27追記)

 急ぎの仕事が舞い込み、心が亡くなると書いて忙しいと読む。徹夜で仕上げ雨の中納品を済ませて帰宅したものの神経が高ぶって眠れない。で、これを書いている。文章が変でも気にしない気にしない。

 −−没−−。
(書いた本人が読んでも不快な仕事の愚痴。読み直してうんざり。全文没。)


 怪鳥コンコルドが墜落。速報がTVで流れたのは昨日深夜か本日未明だったと思うが、この事故の前、昨日昼か一昨日のTVニュースで「イギリスの航空会社の所有するコンコルド7機(?)すべての尾翼に亀裂が発見された」とかいう報道がなかったっけ?(*) 私の記憶違いでないとするとすごい暗合である。尾翼の亀裂と事故原因の関係は不明だが。(記述があやふやなのは、一昨日と昨日は仕事が「突貫工事モード」で息抜きのTVも上の空で見ていて、記憶が曖昧なため。)

(*) 墜落事故の前に流れた「尾翼に亀裂」の報道は、正確には、数カ月前に7機すべてから亀裂が発見されたが、うち1機の亀裂が拡大しているのが判明して運用を中止した、というものだったらしい。(07-27追記)
参照:→ XUSXUS TOP NEWS15 (7/26)


 某美少女ゲームメーカーがWEBで新作ゲームのコンテンツ(画像、音楽)を大公開中。先週末、オープニング曲というのをダウンロードしてみた。サンプルなんてケチなもんじゃない。MP3でファイルサイズ2.4Mもある。発売前から惜しげもなく大盤振る舞いだなあ。
 聞いてみて驚いた。かつて(約10年前)Amigaに「ゼノン」とかいう難易度の高い縦シューティング・ゲームがあったんだが、そのBGMと曲調がそっくりなんである。パクリという意味ではない。テクノ調のリズムとサンプリングボイスの重ね方の手法、全体の曲調がすごく似ているのである。要所でトーキーを通したような歪んだ通信音声風のセリフが挿入されるところとか。後半の女性ボーカルは純然たるパンク調で曲の雰囲気は全然違った(似ていない)ものになるんだけど。
 新境地開拓かと友人(作曲家)に電話して聞いてみた。このオープニング曲は別人の作とのことであった。
 (ジオシティーズではアダルトサイトへのリンクはご法度のためリンクは自粛)

 7月27日追記。友人から電話があり、またこのオープニング曲の話をしていたら「ユーロビート」という言葉が出た。そうか、「ゼノン」のBGMと曲調が似ていると思うのは私の守備範囲が狭い(音楽の素養が乏しい)からで、一般的には、この曲はかつて一世を風靡した(今も一大ジャンルとなっている)ユーロビート系ということになるのかも。ユーロビートというには前衛風味が勝ち過ぎているようにも思えるが。
 「ユーロビートの範疇に入るのかな? ダウンロードして聴いてみて」と言うと、先方のマシンはMP3が再生できない、だと。音楽でメシ食ってるんだからMP3ぐらい対応しておくべきだと思うぞ。(^^;)



 2000-07-21  「○○系」

 今週は連日数時間メールを書いている。仕事用と雑談と、パソコン初心者への指南メール。
 ソフトをダウンロードしてインストールするという簡単な作業でも、「フォルダ」も「インストール」も「ダウンロード」も知らない入門クラスの人にメールで指示してやらせようとすると非常に手間がかかる、ということが骨身にしみてよくわかった。


 音楽業界にはいろんな○○系があるんだな。「噂の真相」8月号の「Jポップ」業界匿名座談会には、情念系、ディーバ(歌姫)系、ナチュラル系、小室系、(元アイドル)再生系等々のコトバが登場する。この方面に疎い私には、小室系以外、初めて目にするものばかり。そういや、この記事には出てこないが渋谷系とかいうのもあったっけ。情念系というコトバがあるにしても、例えば「山崎ハコは情念系」とは言わないんだろうなあ。(例が古すぎ)(--;)

 友人と「ビジュアル系」という言葉について電話で雑談。数年前、某番組の収録中に司会者に「ビジュアル系の○○」と紹介されて某グループの某がキレてしまうという事件があったんだとか。WEBで検索してみた。この言葉はやはり曖昧なレッテルで定説はないらしいが、差別的ニュアンスに関しては特定グループのファンの振る舞いに原因があるとする説があって興味深い。


 悪名高い某掲示板をワッチしていたら友人(上の雑談の相手)の名前が出ていた。なかには「昔、イカ天の審査員をしていたらしい」なんて投稿もある。爆笑。伝聞情報の変容って面白い。ちなみにこの友人はコミックソングが大好物なのだが、最近話題の「ヨーデル食べ放題」 のことは知らなかった。仕掛け人と一部のメディアが煽って意図的にブームを起こそうとしているのかも。



 2000-07-14  「ビジュアル系」は差別語?

 7日のニュースステーションでラルクの特集。視聴者の反応が興味深い。インタビューVTRを見た後の久米宏の「でもやっぱりビジュアル系」というコメントがファンの猛反発を受けている。私は久米宏の言い方に侮蔑・軽侮は感じなかった。ゲスト(ラルク)が差別を感じると言っている言葉を使ったのは軽率ではあるが、○○系という表現自体が内容曖昧な流行言葉の一種なんだからこだわることもないと思うんだがなあ。ラルクやラルクのファンは、どういう呼称なら納得するんだろう。「音楽性が高い系」?

 ○○系といえば、最近よく目にする「癒し系」。本上まなみはさておき優香が「癒し系」と言われるのはピンとこない。優香ってホンワカ・おっとりタイプというより、ハキハキした頭の回転の速い娘って印象がある。「優香は癒し系」というのは、芸能人としてはB級という含みのある「巨乳系」や「セクシー系」というレッテルを避けるために事務所がイメージ戦略として自称しているんだったりして。ゲスの勘ぐりか。もっとも、プラス評価のレッテルに思える「癒し系」にしても、言われている側は不満なのかもしれないけど。

 そうかレッテルか。「ビジュアル系」という呼称が差別的なのではなくて、数年前からお手軽に(時に即興的に)造語されている「○○系」という呼称そのものが、対象を十把ひとからげにする失礼な言葉なのかも。「癒し系」は誉め言葉だとは思うが。(自信なし。7日のラルク特集を見るまで、私は「ビジュアル系」というのもプラス評価の言葉だと思っていた。)



 2000-07-10  ランダム・メモ (CM中のテロップ他)

 コドモの頃、キスマークというのは、女性が口紅をべっとり塗った唇で捺すハンコの一種だと思っていた。ネッカチーフの隠喩を知ったのは何歳の時だったろう?


 97年8月のTV雑談で「どんな重大ニュースでもCM中には絶対テロップは出ない(技術的にはできるはずなのに)」云々と書いたが、9日早朝、「CMにかぶさる臨時ニュースのテロップ」を初目撃した(神津島で震度6の地震)。やっぱり。今まではできないふりしてたんだな。>TV局


 「4日後、あなたがどうなっているか、草葉の陰から楽しみにしてますから」(テレ朝「トリック」)
 これは、怪しげな新興宗教の教祖に呪いをかけられた男に向かってヒロインが言うセリフ。4日後に死ぬのは男であってヒロインではない。このヒロインは、手品のトリックには詳しいが日本語は全然だめなイマドキのギャル、という設定なんだろうか。


 ファイザー製薬のTVCFの3パターン目が流れ始めた。EDの説明が「勃起障害」から「男性機能障害のひとつ」に変わっている。


 バット殴打事件の少年の逃避行について、ニュースステーションの清水建宇コメンテーターは「少年は楽しい思い出のある北海道に行くことで時間を戻そうとしたのではないか」とコメント(7日)。トラック運転手らの目撃証言、「ひたすら一心不乱に自転車を漕いでいた」というのは、世界を破局前の時空間に押し戻そうとする試みだったということか。当否はさておき、この解釈は優しくて美しい。
 (というのは私の誤解で、清水氏のコメントは「思い出への逃避だ」という意味なのかもしれないが。)



 2000-07-07  生ゲスト:扇千景、田中真紀子

 4日のニュースステーションに生出演した石原伸晃らが、翌5日に「自民党の明日を創る会」を旗揚げ。なるほどねえ。Nステへの出演は「創る会」お披露目直前の景気づけだったわけか。で、5日は「創る会」世話人の一人でもある田中真紀子と、政局の焦点(だよな?)、扇千景建設大臣が生出演するという大豪華版(インタビューは個別)。

 役者の格がダンチで4日とは比較にならない面白さではあったが、久米宏のインタビューには前日同様不満を感じた。突っ込みが大甘。扇千景に対してはなにはさておき、まず“紫のドレス”のことを聞かなくては。なにやってんだ久米宏!
 扇千景へのインタビューの後半で「引きの絵」が多用されていたが、あれは伝統的なNステのファン(旧小宮悦子派=脚派)に対するサービスだな(そうなのか?)。扇千景もモニターでカメラマンの意図に気づいたはずだが意に介さず。さすが大物。さすが元宝塚(ちょっと違う)。
 面白かったけど、扇千景の語りは話術も中身も典型的な政治家の駄弁・詭弁で失望させられた。

 田中真紀子の語りは、政局がらみはいいんだけど、財政問題の話ではツッコミどころか合いの手も入らない独演会状態になってしまってイマイチであった。それでも、話術とカリスマ性に魅了されて聞き惚れちゃったんだけど。
 中山“民主主義の誤作動”前建設大臣の時の「一人でしゃべりまくり暴走状態」は、勝手放題しゃべらせて墓穴を掘らせる久米宏の戦術だろうが(「TVの天才」の面目躍如)、田中真紀子の独演会状態は、単なる力負けだろうなあ。田中真紀子への信頼や遠慮があるにせよ、TVは見世物なんだから、あえて意地悪く「創る会」とYKKの関係について質問をぶつける(ワザと怒らせる)ぐらいのことはしてもらいたかった。

 19人で旗揚げした「創る会」、翌6日には参加者倍増して42人だそうな。森派からも5人参加したが、これは読売新聞の記事によると、「会を正しい方向に行くよう誘導」するための「監視役」なんだって。他の若手はともかく田中真紀子の「監視役」とは、この5人、扇千景以上の“貧乏くじ”である。 :-p



 2000-07-05  自民党にとどまるの?

 保守党党首というのにも驚かされたけど、今度は建設大臣かあ(笑)(←なぜ笑う)。入閣というアメが貰えるはずがフタを開けてみたら“貧乏くじ”の建設相で扇千景はずいぶん怒っている。やっぱり髪型変えたのがまずかったのかも(←関係ないって)。変わったといえば選挙後は化粧も薄めに変えて……や、こういうことをアレコレ言うのは失礼か(←ものすごく失礼)。


 建設相ポストが“貧乏くじ”なのは、もちろん例の収賄事件のせい。この政界腐敗ネタでは検察がとかく噂の「派閥の領袖」にアタックできるかどうかが注目を集めている。領袖の名前はまだ出ていない。
 4日のニュースステーションでの、
 「亀井さんは元気がない? どうしちゃったんでしょうね?」
 という久米宏の発言は自民党内の執行部批判の話題で出たもので、事件とは無関係である。そういえば、この日は先月23日の「党首討論」と同じNステ特製「日本の借金時計」ボードをスタジオの中央に置いていたのだが、久米宏は「亀井さんには(こういうボードを使って)世論をミスリードしていると批判されちゃいましたが」とここでも亀井政調会長の名前を出していた。いけずぅ。F・ブラウン(SF、ミステリ作家)によると、アメリカではこういう男のことを「剥きにくい小さなリンゴ」と言うらしいが、自民党幹部の神経逆撫でするようなオチョクリばかりしていると、そのうち力づくで皮剥かれちゃうぞ。(^^;)

 上の発言は、自民党若手議員二人(石原伸晃、塩崎恭久)をスタジオに招いてのインタビューの中で出たものだが、インタビュー自体は不発であった。二人とも妙に神妙で久米宏の誘いに乗らない。執行部批判もほどほど。不用意な発言をしない慎重さを身につけているというより、覇気に欠けるという印象。もっともこの日は久米宏の方にも冴えがなかった。「645兆円の借金って、どういうものなんでしょう?」なんて漠然と問われても答えようがないだろう。身内の常連コメンテーターならそれなりの解説や政府の無策批判を展開してくれるところなんだけど。ちょっと間をおいて日銀出身の塩崎議員が「国民1人当たりでいうと約500万円」とか答えていたが、こんな算術の解答、誰も期待していない。愚問には愚答のいい例だ。

 インタビュー終了間際の「自民党を飛び出ちゃわないんですか?」という渡辺真理嬢の質問はかなり唐突であった。「(飛び出たとして)二人で何ができますか」と笑って答える石原伸晃。また「妙な突っ込み」をする「ちょっとピンボケなアシスタント」(by 田口ランディ)という世評が高まったかも。(^^;)
 事前のスタッフ会議では「自民党が農村型政党化して先が無いと見る若手が多いとすると、執行部批判の高まりは都市層を狙った『石原新党』結党の動きを加速する? YKKはどう動く?」なんてのが話題になっていたと思われる。そこをグイグイ押さないと石原伸晃を招いた意味も薄い。真理嬢の質問は、不発のまま終わりかけていたインタビューをフォローしようとしたんだろう。久米宏はインタビュー前半で新自由クラブの先例(失敗)にちょっとふれるのみで、結局、自民党が割れる可能性(割って出る覚悟)について二人の若手議員に突っ込めないままだったからなあ。

 唐突で直截な質問を軽妙にかわした形だが、「二人で何ができますか?」という石原伸晃の答えは意味深ではある。4人なら? 8人なら? 16人なら……。ゴーサインが出るのは何人?



 2000-07-03  「太陽を盗んだ男」

 先月上旬、深夜TVで映画「太陽を盗んだ男」を観た。この作品は公開数年後に観て「駄作!」と評価していたのだが、今観ると意外にいい。特に前半は本線のプルトニウム強奪もバスジャックのエピソードもスピーディーかつスリリングな展開でぐいぐい引き込まれる。コミカルな描写とちょっとあざとい演出もやりすぎ一歩手前で抑制されている。

 話が進むうち、以前駄作と評価を下した理由を思い出した。中盤がダラ〜ンとひどく間延びしている。主人公(沢田研二)が手製の原爆を完成させて政府に突きつける最初の要求が「野球中継を試合終了までやれ」というのは愉快でいいんだけど、その後何を要求したらいいか思いつかずにラジオのDJに相談する、というあたりからとりとめのない当世若者気質ルポ風の描写に入ってしまう。3無主義世代の風刺? さらに、主人公が出会うDJ(ヒロイン)を演じているのが池上季実子。これが駄目だったんだな、以前観た時には。

 池上季実子はデビュー当時から演技力は立派なものだったが、容姿が大幅に私の好みから外れていた。しかし世間では「美人女優」扱い。親の七光りでいきなり主役級でデビューというのに文句はない。しかし「美人女優」扱いには承服できない。早乙女愛役に抜擢する(TV版「愛と誠」)なんて暴挙だ、と反感を抱いていた。配役の適否は役者の責任じゃないんだけど。「美人のヒロイン」を演じる池上季実子を見るたび不快に感じていたということもあるが、この作品の場合、劇中のDJの行動がひとりよがりで全然共感できないという点でも駄目ポイントが高い。

 中盤は筋書きとアクションシーンにも問題がある。警察のビルに単身殴り込みをかけたり、カーチェイスでパトカーの群れを振り切ってしまったり。主人公は平凡な理科教師のはずなのに。ヘリで追跡していた刑事(菅原文太)は高度10メートル以上の高空から飛び降りちゃうし。もうムチャクチャ(笑)。派手なアクションを優先して話をぶち壊している。惜しいなあ。クライマックスの死闘はリアルですさまじい迫力に仕上がっているのに。

 中盤のDJの振る舞いやアクションシーンはやはり駄目としか言いようがないが、以前は耐え難いほどダサい演出だと感じたルポ的な部分が、今観ると、いい。「もしあなたが原爆を持っていたら?」という問いに対する答えとして路上採集したらしい一般人のインタビュー音声が多数流れるのだが、その「しゃべり口調」が70年代を生き生きと伝えるドキュメントと成っているんである。わずか20年(*) で(若い世代の)日本人のしゃべり方はこんなに変化しているのか、と驚かされた。70年代といえば、ヒロインと刑事(主人公にとってのヒーロー)が姿を消した後の主人公の選択、物語の結末もいかにも70年代である。
 中盤に難があるものの、これはかなり出来のいい邦画だと評価を改めることとなった。

(*) 79年製作作品。


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