近況雑談の過去ログ6


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 99-12-31  ユリ・ゲラー2題

 大晦日のビートたけしの特番にユリ・ゲラー本人が登場。またもテレ朝。何をやるかと思えばスプーン曲げと「視聴者の皆さん、壊れた時計をTVの前に」……。どうやら彼の「超能力」は、20年の歳月を経ても毛ほども進歩しなかったらしい。
 結局、見るべき新ネタは皆無だったが、ゲラー一家のインタビューはちょっと面白かった。2人の子供にも超能力が芽生え始めているという話で披露されたエピソードが、「話をしたい、という思いを感じて電話をかけたら、相手もちょうど同じことを考えていた」だって(笑)。こんな、誰でも経験しているような体験談で「子供たちにもテレパシー能力が覚醒しはじめているんだ」って力説されても、……ねえ。

 ユリ・ゲラーがイメージ盗用(?)で任天堂を相手に損害賠償請求訴訟を起こすらしい。しかし、100億円とはでかくでたね(笑)。



 99-12-16  スーパーネイチャー

 「ニュースステーション」を見終わった後、TVをつけっぱなしにしておいたら「スーパーネイチャー」という番組が始まった。テーマは「自己超越」。オープニングで臨死体験や旧ソ連の超能力研究を駆け足で流し、ユリ・ゲラーを「超能力者」として紹介して本編突入。
 おいおいおい、ユリ・ゲラーって、控えめに言えば「手品師」、あからさまに言うなら「詐欺師」だってのは、周知の事実だろ? 夜11時以降の深夜番組はあいかわらずナンデモアリなんだなと苦笑しつつ見ていると、驚いたことにこの番組、「テレビ朝日開局40周年記念番組」なんだと。大丈夫か、テレビ朝日?
 オカルト・UFO・擬似科学のたぐいは嫌いではない。が、いくら深夜帯とはいえ「開局40周年記念番組」でユリ・ゲラーを超能力者扱いされては具合が悪い。呆れつつ、それでも最後まで見てしまったのだが、本編も信憑性に欠けるトホホな内容であった(*)

(*) 例えば臨死体験。「懐疑的な意見もあるが、最近の研究で『臨死体験』はまぎれもなく『死の瞬間』のものであることが明らかになった」と研究者が語るのだが、誰がいつどういう方法で調査・研究し、どういう形で発表しているのか、どう「明らかになった」のか、具体的なことは何も提示しない。「臨死体験肯定派」が一方的に意見を開陳するだけ。CGや再現映像など映像演出は凝っていたが、説得力は全然なかった。

 見終わった後、テレ朝のホームページにアクセスしてみた。この「記念番組」は4夜連続放送で、私が見たのは最終回。「スーパーネイチャー」というのは約20年前に出た「ニューエイジ」系の本で、今回の番組はその著者みずから監修した「新スーパーネイチャー」という位置付けらしい。そういえば番組中、案内役で初老の白人男性が出てきたが、あれが著者(監修者)のライアル・ワトソンだったのかな。

 クレジットはテレビ朝日だったが中身は完全にアメリカ製。新たに製作されたにしては、臨死体験、旧ソ連やCIAによる超能力研究、双子にまつわる不思議な実話群などなど、全然新味がなかった。テレ朝、ババを掴まされたようで。それにしても、テレ朝は40周年記念番組を自局で製作する余力もないのか?



 99-12-04  放蕩息子の帰還

 5月中旬から放浪の旅に出ていた長男が帰ってきた。これまでも1、2カ月姿を消すことはあったが、今回は半年以上なので、もう帰ってこないものと思っていたヤツである。ひどく痩せているが生傷はない。
 5月に生まれた三毛が恐れおののき毛を逆立てて騒いでいるが、年長組は帰ってきたボスの顔を見ても平然としている。年長のメスたちは皆、この長男の妹や姪(もしかすると娘)なのだが、今うちにいるオス2匹は長男とは血縁関係がない(たぶん)。弟だろうと甥だろうと、「大人のオス」は、いつもなら長男が追い出してしまうのだが、長期間の旅の疲れで覇権を主張する元気がないらしく、長男は枯れた隠居老人のように静かにストーブの前で寝ている。

[ストーブ猫]


 99-11-28  緒川たまき嬢

 午前中、TVをザッピングしていたら「道浪漫」という紀行番組にヒットした。女優の緒川たまき嬢が「旅人」役でチェコの市場や古道具屋、人形劇団を見て歩くというもの。チェコは長らくオーストリア帝国の支配下にあってチェコ語の演劇は禁止され、その規制を受けなかった人形劇が独特の発展を遂げたとのこと。人形は、端整で可愛らしいものでも見方によっては不気味なものだが、チェコ人形はストレートにまんま不気味であった。顔も体型もデフォルメされているのに妙にリアルで、そのリアルは陰性のものである。
 この番組で、緒川たまきという名前と、彼女が「女優」であることを知った。前から気になってたんだよね、この女性。化粧品のTVCFで、自分の内側に向けて語りかけているような口調、独特の言葉遣いと間で独白をするんだけど、それが私にはかなり際どい、あざといものに感じられて、不思議系の人としての「素」なのか、CFのための演出(演技指導)で作られた女性像なのか、その正体を知りたかったのであります。
 ちなみに、この化粧品CFのイメージキャラクタとしては桃井かおりも起用されている。CMプランナーあるいはこのメーカーの宣伝担当重役には、「独特のしゃべり方をする女性」に強い思い入れがあるらしい。

 で、「道浪漫」だ。もちろんチェコの人形劇その他も興味深いものだったんだけど、それ以上に緒川たまき嬢の存在感に惹かれて見てしまった。化粧品CFでの彼女の口調は「素」であることが、よくわかった。(^^;)
 このチェコ編、来週には後編を放送するらしい。(TBS系、日曜午前11時〜)
 たまき嬢の話し言葉というのは、丁寧で柔らかい、ちょっとブンガクにかぶれたお嬢様風なんだけど、それは家庭環境によって自然に身についたものというより、ある時思い立って価値観(美意識)に基づいて自分自身のキャラクタを意志的に作り上げてきた結果のもの、という印象を受けた。まあ、誰しも「自分のキャラ」を選択してある程度は意識的に「自分」を演じているものなんだが。


 夜、仕事(美少女ゲーム関連)でアンリョ=モンデュウスを調べる必要があってWEBで検索。無い。表記を変えていろいろやってみたら「モンデウス」が大量にヒットしたが、これは「Mont Deus」という山の名前らしく、15世紀の占星術師とは無関係であった。
 思い立って「緒川たまき」もサーチエンジンで検索してみた。ファンサイトや関連サイトが結構ある。私は今日初めて名前と職業を知ったのだが、何年も前から活躍している女優らしい。彼女のキャラ相応に、コアなファンがかなりいる気配。「緒川たまき」をキーワードにあちこちサーフしていたらタルホのサイトに行き当たった。サイト内に著名人のタルホ評を並べたページがあって、その冒頭が緒川たまき嬢の一言なのであった。
 不思議な偶然である。私がアンリョ=モンデュウスを調べてみようと思ったのは、昨日再読したタルホの『宇宙論入門』に彼のエピソードがあったからなのである。や、だからなんだってことはないんだが。

 ・タルホのサイト:→一千一秒倶楽部


 追記:「道浪漫」を製作しているMBSのサイトにアクセスしてみたら「道浪漫」のページがありプロデューサーによるたまき嬢紹介の一文があった。曰く、

「(前略)今週はまたちょっと変わったチェコをご案内します。案内人は不思議少女の緒川たまきさん。年に似合わず渋沢龍彦さんなどに憧れる不思議な人です。(後略)」

(引用出典:プロデューサーからの一言
 ふむ、すでに「不思議少女」というラベリングが定着した人だったのか。澁澤に憧れる人ならばタルホについてコメントしているのもうなずける。(コメントというより感嘆の一声、なんだけど)


 12月5日追記:続編を見た。番組中のナレーションで、「緒川さんの愛読書は澁澤龍彦や稲垣足穂」と紹介していた。
 12月16日追記:緒川たまき嬢出演の化粧品CF新バージョンを見た。独白が無くなって、なんの変哲もないごく普通のCFになっている。

 2000年2月追記:結局、美少女ゲーム関連の仕事にタルホの宇宙論を借用する案は没にした。



 99-11-02  久米宏のいないNステ

 夜、急用で外出。帰宅してTVをつけると「ニュースステーション」にリュック・ベッソンとフェイ・ダナウエイが出演している。新作映画「ジャンヌ・ダルク」のプロモで来日したらしい。フェイ・ダナウエイ、ずいぶん老けたなあ。年齢相応ではあるけど。

 聞き役は渡辺真理嬢だったのだが、インタビューとしてはかなり問題アリだった。真理嬢が日本語で質問し、ベッソン監督(or フェイ)が英語で答え、背後に控えている通訳が訳す、という基本手順を忘れて、通訳がゲストの応答を訳す前に次の質問を発してしまう場面が何度かあった。なまじ英会話ができるのがアダとなったようで。


 久米宏のいない「ニュースステーション」は、やっぱりツライなあ。代打メインキャスターの渡辺宜嗣アナは正義感あふれる優等生というか「正論の人」で、屈折や邪気に欠ける。愛嬌はあるんだけど。それに声がでかすぎる。(^^;) 「正論を唱える時は小声で」とは誰の言だったっけか。
 久米宏がいた頃の「ニュースステーション」に宜嗣アナがレポーターとして顔を出すと、ちゃっかり自分の担当している「朝生TV」の宣伝をするということが一度ならずあった。「朝生」って彼のアイデンティティーの一部になっちゃってるのかね? 「ニュースステーション」のメインキャスターになった今でも、スタジオに呼んだゲストに「朝生TVならもっとゆっくりお話を聞けるのですが」なんてジョーク(?)を言う。こういうセリフは物欲しげな感じがしてみっともないと思うのだが、テレ朝の社内的には担当番組の宣伝を忘れない局アナの鑑ってことになるんだろうか?

 しかし、なんでこんなことが気になるんだ、俺は?
 ……そうか。「ニュースステーション」はテレ朝の看板番組だが、従来はメインキャスターもサブ(女性アシスタント)も解説役も揃って外部の人間で、レギュラー出演者が他の番組の宣伝をするなんて場面は皆無だったんだ(少なくとも私は見たことがない)。それで宜嗣アナの「朝生」発言が「Nステ的雰囲気」の中で異物のように感じられるんだな。なるほど。



 99-10-25  誘拐騒動は女子大生の作り話

 8月28日の項に書いた女子大生誘拐騒動、公安ネタの一斉報道以後ぱったり続報が途絶えていたが、本日、女子大生自身による狂言だった、とのニュースが流れた。
 以前書いたように、この件は「謀略事件」なんじゃないかと感じていた。自作自演の狂言だったという報道には、「やっぱり」という思いと、「それがほんとに真相か?」という不審が半々というところ。

 「狂言」報道の記事をちょっと引用する。

(略)千葉県警は80人態勢の特捜班を設けて愛知県警とともに捜査していたが、自宅周辺や名古屋市内に不審な人物や車両に関する目撃証言がないことなどから、今月24日に女子大生から事情を聴いたところ、「すべて虚偽だった」と認めたという。(後略)

 引用出典:朝日新聞 99年10月25日

 「名古屋市内に不審な人物や車両に関する目撃証言がない」……ってのが笑える。8月27日にマスコミが一斉に流していた「オウムの名古屋支部前に習志野ナンバーの外車が止まっていたという目撃情報」が、マスコミの独自取材の成果でも捜査当局(千葉県警・愛知県警)のリークでもなく、単なる公安ネタの垂れ流しだったことを、あらためて、わざわざ告知しているような記事だ(笑)。

 お笑いはさておき。単なる「狂言」だったとすると、一連の反オウム報道は女子大生の作り話に公安が便乗したということになるが、正味それだけの話なのかねえ? それにしては、ずいぶん周到な「作り話」だ(6月頃学校内で脅迫されたとか尾行されていると訴えて警察に警護を依頼している件など)。それに、単なる狂言だとしたら、警察はもっと早い時期に見破っていると思うんだが(もっとも、これは発表を遅らせていただけという可能性もある)。
 さて真相や如何に?



 99-10-18  ニンジンの皮

 TBS「ニュースの森」直前のミニ・ニュース(関東ローカル?)で、柿のヘタやニンジンの皮を使う「リサイクル料理」なるものを紹介していた。こういうのは大昔からある主婦の知恵だと思うが、TV局ではリサイクルを謳うところにニュースバリューありと見なしたらしい。捨てずに食材にするなら「リサイクル」ってことにはならんと思うが(笑)。
 主婦を集めて開かれた料理講習では主催者から「ダイオキシン問題は文句を言うばかりでなく、消費者側でもゴミを減らす努力をすべきだ」とのかなり挑発的口調の演説あり。柿のヘタやニンジンの皮を燃やして出るダイオキシンの量なんて問題外のレベルだろうし、生ゴミの場合、燃やして問題があるなら土に還せばいいだけのこと。どうも、なんか変。

 端材を使った料理、大いに結構。それを「リサイクル料理」と称するのも、変だけど、まあいい。しかしダイオキシン問題は消費者側にも責任があるという理屈は、一億総懺悔式の責任転嫁の匂いがして、うさんくさい。



 99-10-07  風評被害……か

 オブチ首相、茨城に視察に行って食いまくってたねぇ、魚や野菜。

 O−157のカイワレの場合、「政治家のパフォーマンス」と揶揄されつつも多少の意味はあったんだろうけど、ダイオキシン騒動の時の政治家のほうれん草立食パーティーや今回の茨城産農水産物もりもり食いって、なんの意味もない。ダイオキシンや放射性物質の場合、影響が出るのは数年〜十数年後、あるいは次の世代なんだから。

 それにしても。
 大食い選手権じゃないんだから。メロンをあんなに下品にガツガツ食うこたぁないと思う。情けない。



 99-10-03  仕事でゲーム2

 煮詰まっちゃって臨界に達しそうデス。不謹慎で氷男。

 しかしこの臨界ネタ、放射性物質マークを会社のロゴに使っている某美少女ゲーム・メーカー周辺では17シーベルト以上の線量で飛び交っていると思うゾ。なんてったって18禁だし。って意味不明だが。



 99-09-28  仕事でゲーム

 09/10の項でちょっとふれたが、今、美少女ゲーム関連の仕事をしている。予備作業の一環としてゲーム本体もプレイしているのだがこれがなかなか困ったチャンで、BGMが切り替わるとCDにアクセスに行って10〜20秒、ひどい時には30秒以上動作が止まってしまう。中断自体困ったことだが、不快なのはそのアクセス音が尋常ではないのだ。マシンは最新式ノートパソコンでCDドライブも高級品のはずだが、それがジャーコジャーコと安物の5インチHDDのような騒音を立てるんである。読み込みエラーでリトライを繰り返しているんだろう。CDドライブを壊されそうな気がして、ゲームを進行させるのが憂鬱である。



 99-09-15  ネタ探しで本棚漁り

 澁澤龍彦の『毒薬の手帳』を再読。昭和38年刊行の本だが、メディチ家のエピソード中に「占星博士ノストラダムス」の名がたびたび出てくる。あの第1次ノストラダムス大ブーム以前に、彼の名は好事家にはよく知られていたようで。



 99-09-10  自転車で放浪

 先月末2日ほど外泊した。帰宅すると室内がひどく荒れていた。留守中ヨソの猫が侵入したらしい。猫の侵入事件なんざ日常茶飯事だが、今回は深刻な打撃をくらった。ダニかシラミの類を置いていかれたのだ。体中食われまくって痒いのなんの。以来、スプレー殺虫剤を撒いて対処していたのだが敵を根絶できない。気は進まないが燻蒸式殺虫剤で部屋丸ごと殺虫することにした。火事と間違われるとイヤなので煙ではなく霧状タイプである。

 噴霧処理は1〜3時間、部屋を密閉しておかないといけないらしい。必然的にオンモで時間つぶしをすることとあいなった。ノートパソコンを持って出て喫茶店で仕事しようかとも思ったが……昼間っから喫茶店にノートパソコン持参してエロ・ゲもとい美少女ゲームなんかやっていたらアブナイ人だ。手ぶらで出る。

 自転車で駅前の繁華街まで出たが馴染みの店には入る気にならない。課題は時間つぶしなんだから、ちょっと遠出して新規開拓することにした。自宅と反対方向の、今まで行ったことのない通りに入り物色する。が、行けども行けども全然喫茶店が無い。どういうわけか衣料品店と寿司屋ばかり目に付く。妙な町だなと思っているうち商店も民家もない殺風景な通りに出てしまった。引き返すのもシャクなのでずんずん進む。

 住宅街・工場・団地エリアを抜けて大通りに突き当たり、ようやく一軒発見。東京23区内だというのにコーヒーが300円、しかもチョコレート付き。安いのはありがたいが、この店は新聞雑誌類が一切置いてない。客は私一人である。店員も一人。狭い店内に差し向かいで二人っきり。これではとても粘れない。時間つぶしが目的なのに20分で退散。

 自宅を出てまだ1時間も経っていない。仕方ないのでさらにずんずん進む。ふと道路標識を見ると世田谷区に突入している。喫茶店で雑誌読んでウダウダするのも自転車であてもなく走るのも時間つぶしに変わりはない、と思うことにしてさらにずんずん進む。

 目的地があるわけではないので適当にわき道に入り住宅街をふらふら走る。東京は幹線道路さえくねくね曲がっていて地方出身者泣かせな街だが、住宅地の道路はさらに凶悪で、非常識な角度に曲がるわT字路三叉路で方向感覚狂わされるわ行き止まり道が無数にあるわのぐっちゃぐちゃである。じき、どこをどう走っているのかわからなくなった。いや、もともと知らない土地なんだからハナからわからないまま走っていたのだが。

 こういうのも迷子っていうのかな、なんて考えつつさらにふらふら行くと大通りに出た。これを突っ切ってアッチ側に渡ったらマジで迷子になりそうなので右折して大通り沿いに進む。が、交通量が多く排気ガスがきつい。走っていて全然楽しくないのでまた右折してわき道に入る。つまりこれで帰路についたということになる……はずだったのだが、ふらふら走っていると先刻離脱したはずの大通りにまたぶつかった。げ、逆戻りしてるじゃん。雪山遭難のパターンだぞ、これ。世田谷で遭難するはずもないがなんかヤな感じである。そういえば「上品ドライバー」というTVドラマでタクシーが遭難するエピソードがあったが、あれって世田谷の住宅街が舞台じゃなかったっけ? 空も暗くなってきた。

 このまま夜になっちゃったらほんとに帰路がわからなくなるぞ、とか思いつつさらにふらふら走っていると4階建てマンションより高い森が見えてきた。鎮守の森かと思い近寄ってみると巨大な竹林で、神社でも公園でもなく個人の私有地であった。すでに日はかげっているとはいえまだ街灯はともっていない明るさなのだが、密生した竹林の中は闇夜のように暗い。竹林というのは竹の匂いがする。当たり前といや当たり前。これはなんだか子供の頃の夏休みの匂いのようだ、なんてちょっとうっとりしていると薮蚊がわらわらやってきたので急いで撤退。

 番地表示を見るといつのまにか三鷹市に入っている。ってことは? え〜っと、これは帰路なのか、それとも自宅からさらに遠ざかっているのか? 状況把握できぬままさらにぐいぐい進む。なんとなく不安で自転車の速度が上がっている。

 もうすっかり夜である。どこだかわからないところを走っている。と、ライトアップされた巨大な古本屋が眼前に出現した。吸い込まれるように入店。店内は明るく広く、居酒屋チェーンのように客が出入りするたび店員たちは揃ってマニュアル的清潔明朗大声で挨拶する。どうやら、チェーン展開しているリサイクルショップらしく、商品は古本と中古CDがほぼ半々。一律100円のコーナーには大量のシングルCDや文庫本が並んでいる。

 すでに時間つぶしの目的は達成していたのだが、この店でさらに2時間以上過ごしてしまった。店の案内地図付きチラシで所在地点を確認すると、かなり自宅に近い所にまで辿りついていることがわかった。地図を頼りに約20分ほどで我がテリトリー内に無事帰着。


約6時間の散策の戦利品
ベルセルク病巣解析書 立ち読みでスカとわかったが半値だったので(半値でも高い買い物)
剣客商売 隠れ蓑(池波正太郎) 表題作は「ありがち」な話だが、この作品こそが模倣作のネタ元か?
清水ミチコの顔マネ塾立ち読み中、不覚にも吹き出してしまった
家庭画報 数冊人生万事勉強。しかし重すぎるぞこの雑誌
以下略


 99-08-28  誘拐騒動の不思議

 松本サリン事件の被害者の遺族(女子大生)が24日朝、自宅(習志野市)前で誘拐され、その日の夜、名古屋市内で保護されるという事件があった。第一報からして不自然な「事件」だが、その後の報道を見ると謀略事件の匂いが強くなってきている。

 事件そのものの不自然な点。被害者は6月頃から複数の男に尾行され警察の警護を受けていた。事件当日は大学が夏休みのため警官が付いていなかったということだが、なぜ警察の警護対象になっている人間にこだわる? 松本サリン事件裁判の原告側関係者を狙うなら、他にノーガードの人間は大勢いるはずなのに。また、被害者の通学路は(6月頃の尾行で)把握されていただろうに、犯行は目撃される危険の高い自宅前で行なわれている。被害者は車中で犯人に「裁判(松本サリン事件の民事訴訟)をやめろ」と脅されて12時間後に名古屋市内で解放されたのだが、その解放現場はなんと警察署の裏……。

 続報の不審な点。TVニュースでは解放現場が警察署の裏だったことを報じていないが、これは朝日新聞の誤報だったのか?
 習志野から名古屋へのルートに関しては「高速道路に乗った」、「Nシステムを避けて一般道を走った(それで名古屋まで12時間かかった)」、被害者の「(目隠しされていたが)車はかなり長い間高速で走っていた」という談話が発表されると「やはり高速に乗ったらしい」とほぼ日替わりで二転三転している。高速道路を利用していればNシステムで犯人の車の記録が取られているはずなんだが、これに関する報道は無い。
 なぜ解放現場が名古屋なのか? TVニュース(TBSかCXか失念)では「武闘派のオウム幹部が名古屋で活動している」という、誘拐事件とオウムの関係を強調(暗示)する公安ネタを流している。
 昨日、「オウムの名古屋支部前に習志野ナンバーの外車が止まっていたという目撃情報」なるものが一斉にニュースで流れた。この手の「タイムリーな目撃情報」は95年5月の麻原教祖逮捕直前に頻繁に流れていたものだ(*)

 タイムリーか。それを言うなら事件そのものがタイムリーなんだよなあ。これで破防法改正の動きに拍車がかかるのであろーね。

(*) 一例を挙げると、オウムの“防衛庁長官”は「山梨ナンバーの不審な車が止まっているとの目撃情報」によって逮捕された。この逮捕劇は当初「車中から小銃の部品が発見され銃刀法違反容疑で逮捕」と報じられたが、すぐに建造物侵入容疑に訂正された。車中から発見された「小銃の部品」については結局ウヤムヤになったと記憶している。ちなみに「目撃現場」前の雑居ビルにはオウム傘下の会社(ロシア射撃ツアーを企画していたところ)も入居していた。


 99-08-26  たけし号泣

 芸能ネタで使われる「号泣」とか「激白」というのは上げ底の見出し用語であって、実際には涙目程度だったりレポーターの強引な質問に曖昧な返答をしているだけだったりするものだが、北野"ビート"たけし、母親の死去でほんとに泣き崩れていた。95歳なら堂々たる大往生だと思うのだが。

 肉親を亡くせばいい年をした大人だって泣く。故人が高齢であったとしても、大往生だ目出度いと言って笑って見送れる人ばかりではないだろう。しかし、芸能レポーターに通り一遍の慰めの言葉をかけられて、TVカメラに囲まれた中で、あんな無防備な泣きざまを晒すというのは、私にはとても奇異なことに思える。ちなみに、たけしの兄(TVタレント化している大学教授)はふだんどおり笑顔でインタビューに答えていた。



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